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人気マジシャンから大学教授に ワイズマン教授が明かす惑わしの心理学

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リチャード・ワイズマン教授 - Photo:Yukari Yamaguchi
リチャード・ワイズマン教授 - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間4月28日、ロンドンで開催中の第10回SCI-FI-LONDONで、リチャード・ワイズマン教授のParanormality(超常性)と題されたトーク・ショーが開催された。ハートフォードシャー大学で心理学の教鞭をとるワイズマン教授は、マジシャンとして活躍後に学問の道に進んだという変わったキャリアの持ち主。トークでも、さまざまなイベントに引っ張りだこの人気を誇る。

 ワイズマン教授は、コインやトランプを使った鮮やかなマジックも披露しながら、人が惑わされることを実例で見せる。例えば、ビキニ姿の美女の写真に、大小の円からなる透かし模様を重ねて実験。ちょうど水着部分が円と重なり、素肌の部分しか見えなくなると、模様の向こうに裸の女性がいるように思えてしまう。水着写真であることを知っていてさえ、連想で物を見てしまう人間の心理だ。女性客にも公平を期そうということか、ダニエル・クレイグの水着写真で同じことをやって見せた後、今度はさらにミッキーマウスで試して、笑いをとる。心霊写真と見える写真も、大半が同様の連想の産物ということを例を見せながら解説した。

 惑わされるのは目だけではなく耳もというわけで、音楽の実験も。オバマ大統領の肩に、ちょこんと座っているエルフ(こびと)が歌い出す。歌に合わせて、オバマズ・エルフと歌詞字幕が出るが、流されている曲は「オール・バイ・マイセルフ」。『ブリジット・ジョーンズの日記』でも使われた有名なヒット曲だが、エルフの画面を見ているとオーバーマズ・エルフとしか聞こえない。一人ぼっちの寂しさを歌った曲が、オバマのエルフでいる悲しさを歌った曲になることに観客は大うけ。笑いのツボもしっかり抑えているような心理学者だ。

 プロのマジシャンだっただけあってショーマン・シップあふれるトーク・ショーだが、ワイズマン教授の研究は経済学、社会学などにも関わる幅広い分野にわたる。ワインの購買について、半数の人は高価なものと安価なものの味の違いはわからず、高価格を高品質の証として選んでいるとの結果が出た面白い実験などもある。
SF映画上映を主体に、様々な関連イベントも催される映画祭SCI-FI-LONDONは4月23日から5月2日まで開催。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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