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渡辺謙、地震発生時は飛行機で立ち往生 そこで感じた「あせりが被災地支援の原動力」と明かす

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渡辺謙と映画でメガホンを取る瀧本智行監督-ミニチュアのはやぶさを手に
渡辺謙と映画でメガホンを取る瀧本智行監督-ミニチュアのはやぶさを手に

 映画『小惑星探査機 はやぶさ -遥かなる帰還-(仮題)』で主演、プロジェクト・マネージャーを務めることを発表した渡辺謙が、8日に行われた本作の会見で、被災地への思いを語った。東日本大震災発生後、脚本家の小山薫堂と共に復興支援サイト「kizuna311」を立ち上げ、実際に被災地にも足を運ぶなど、被災地に向け、迅速かつ精力的な活動を行っている渡辺。同震災で甚大な被害を受けた宮城県は、自身の出世作でもあるNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」の舞台でもあった。しかし渡辺は、「そうしたことは(被災地への活動をする上で)一つの要因にすぎない」と語る。

 3月11日の地震発生時、ロサンゼルスから成田に向かう飛行機の中にいたことを明かした渡辺は、「みなさんが体験したような本当の意味での今回の震災は体験していない」と少しもどかしそうに語り、当日は長時間にわたり機内に拘束されていたことを明かした。日本の惨状は、妻との電話で、後になって知ったという。しかし、そんな渡辺が現在行っている活動には、目を見張るものがある。日本をはじめとした世界の著名人のメッセージを見ることができる「kizuna311」は、アクセスした人の心を癒やし、ハリウッドスターとしても活躍する渡辺の被災地への訪問は、渡辺の訪問を受けた人々の心を癒やしている。震災後、俳優仲間に電話をしたときのことを、「皆、ぼうぜんとはしていたが、日本のために何かをしたいという気持ちは同じだった。俳優として自分にできることをしたいと思った」と話す渡辺。「飛行機の中にいて、何もできないというあせった気持ちが、今の(被災地への活動の)原動力かもしれない」と打ち明けた。

 渡辺が主演、プロジェクト・マネージャーを務めることを発表した映画『小惑星探査機 はやぶさ -遥かなる帰還-(仮題)』は、小惑星「イトカワ」に着陸し、微粒子を持ち帰ったはやぶさの偉業に隠された男たちの姿を描いた作品。本作の映画化について、「日本に高い技術を持っている人々がいるということを、まずは日本の観客に伝えたい。それができる素晴らしい題材」と語った渡辺は、「俳優という仕事をしている自分が、震災に遭った日本に何ができるかというのと、俳優という仕事をしている自分が、映画に何ができるのかは違う」と復興支援と映画製作を区別した上で、それでも「足踏みをしている日本に背中を押してあげることができる作品になるだろう」と本作への期待を語っていた。(編集部・島村幸恵)

映画『小惑星探査機 はやぶさ -遥かなる帰還-(仮題)』は2012年全国公開予定

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