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過疎の町に93年続く映画館がある!心の「豊かさ」描くドキュメンタリー映画『小さな町の小さな映画館』

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「大黒座」の外観(上)と4代目館主の三上雅弘さん(下)
「大黒座」の外観(上)と4代目館主の三上雅弘さん(下) - 映画『小さな町の小さな映画館』より

 北海道の過疎化が進んだ町にありながらも創業93年を迎えた小さな映画館「大黒座」に迫ったドキュメンタリー映画『小さな町の小さな映画館』が6月、ポレポレ東中野にて公開される。シネコンの勢いに押され、ミニシアターが相次いで閉館に追い込まれている昨今。人口1万4千人弱(3月末時点)の北海道・浦河町にある「大黒座」を映し出す本作は、娯楽の代名詞である映画本来の意味を現代人に示すかのような内容となっている。

 創業93年を迎えた映画館「大黒座」は、座席数48席のいわゆるミニシアターだ。大正時代にドサまわりの講談師や浪曲師を招いたことから始まり、現在は4代目の館主が、町の文化も含めて大切にしたいという思いから営業を続けている。しかし、経営状況は決して楽なものではない。日本の映画黄金期には正月上映に長蛇の列を成した同館だが、テレビやビデオの普及により、徐々に衰退していった。また同館のある浦河町自体も過疎化が進み、観客と成り得る人口も減っていった。

 そんな中、本作のプロデュースと撮影・監督を務めた森田惠子は、古き良き時代の面影が残る「大黒座」に、自身が幼いころ映画館の前に立って看板を見上げたときのワクワクした気持ちなどを重ね、映画が一番身近な娯楽だったころの記憶を「記録」しておきたいと思い、本作を手掛けた。映画は、4代目館主の三上夫妻や「大黒座」を応援し続ける人々のインタビューなどで構成されており、それぞれの熱い思いが込められている。そこには、経済的に豊かではなくても、心の豊かさや文化の豊かさを享受した生活を送る人々の姿がある。都会に住む現代人が忘れがちな「豊かさ」が描かれている。

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 過疎化の町で93年も一つの映画館を存続させるのは、そこに住む人々の思いがなければ実現し得ないことのように思える。地域文化の充実に貢献する「大黒座」の姿勢に、心打たれる観客も多いことだろう。(編集部・小松芙未)

映画『小さな町の小さな映画館』は6月18日から7月1日までポレポレ東中野にて公開

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