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渡辺謙、モンテカルロ・テレビ祭にて最優秀男優賞受賞 出演ドラマ「塀の中の中学校」は最優秀作品に

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最優秀男優賞を受賞した渡辺謙
最優秀男優賞を受賞した渡辺謙

 今や日本を代表する俳優の渡辺謙が、第51回モンテカルロ・テレビ祭のテレビ・フィルム部門(単発ドラマ)で最優秀男優賞を受賞した。渡辺の出演ドラマ「塀の中の中学校」は同部門に最優秀作品賞とモナコ赤十字賞を受賞。渡辺の受賞と併せ、3賞同時受賞となった。

 同ドラマは、昨年10月にTBS/毎日放送で放送されたもので、日本で唯一、刑務所の中にある義務教育機関が舞台。渡辺は50歳の生徒を好演しているほか、赴任してきた教師をオダギリジョー、渡辺演じる川田希望の一人息子を森山未來、ほかの生徒を大滝秀治すまけい千原せいじ染谷将太などが演じており、豪華な出演陣も話題になっていた。

 同賞は1961年に始まった歴史と権威あるテレビ祭で、同ドラマは最優秀作品を受賞。また渡辺は、確かで繊細な演技が高く評価され、最優秀男優賞を受賞した。このニュースを受けた渡辺は「放送が終わると、忘れ去られることの多いテレビドラマですが、こういう形でまた、評価していただけてありがたく思います」と受賞を喜ぶと、同ドラマが特別賞にあたるモナコ赤十字賞も含め、計3賞を受賞したことについて、「(生徒たちは)罪を犯してはいますが、社会の弱者を描いた作品です。この作品にかかわったすべての方々、おめでとうございます」と祝福のコメントを寄せた。

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 TBSドラマとしては、2009年に田村正和が「そうか、もう君はいないのか」で受賞して以来2回目の最優秀男優賞受賞。これは日本の民放局初の快挙となる。北川雅一プロデューサーは、「大変素晴らしい賞をいただきありがとうございます。命の大切さ、学ぶことの大切さ、などたくさんのメッセージをこのドラマに込めました」と今回の受賞に感激している様子だったが、「しかし残念なことに、3月の東北大震災で多くの日本人が命を落としました。また家や学校が津波で流されたために学ぶ機会を失っている人たちも大勢います」と現在の過酷な日本の現状に言及。その上で「でもわたしたちは負けません。必ず復興します。そしてドラマを通じて、引き続き命や教育、家族の大切さを訴えることが、制作者の使命だと思っています」とコメントした。

 渡辺も言及しているように、単発物のテレビドラマはあまり振り返られることのない分野。現に同ドラマも昨年の放送以来DVD化などはされていない。今回の受賞を機に、より多くの人が観られるようになることを願いたい。(編集部・福田麗)

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