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世界的登山家のメスナー氏、東日本大震災で傷ついた日本に「どんな困難も乗り越えられる」とエール

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映画界進出をにおわせたラインホルト・メスナー氏
映画界進出をにおわせたラインホルト・メスナー氏

 「山ガール」ブームや映画『岳 -ガク-』のヒットにより登山人気の高まっている日本で、まもなく公開される映画『ヒマラヤ 運命の山』のモデルとなった世界的登山家のラインホルト・メスナー氏が来日し、東日本大震災という自然の猛威に見舞われた日本にエールを送ったほか、今後の映画界進出もにおわせた。ヒマラヤのナンガ・パルバートを舞台に、実話を基にしたという本作は、壮大なスケールで山や大自然の美しさが描くと同時に、山の恐ろしさも痛感させられる作品となっている。

映画『ヒマラヤ 運命の山』場面写真

 本作は、若き登山家として頭角を現していた当時25歳のメスナー氏が、弟ギュンターさんたちと共に「人食い山」とも呼ばれるナンガ・パルバートに登攀(とうはん)した際の出来事を描いた物語。山に囲まれた地方で育ち、幼いころから登山に親しんでいたというメスナー氏は、「この映画は単なる山岳映画ではなく、2人の兄弟のストーリー。つまり人間のストーリーであるといえます」と説明。実はこのときに、メスナー氏は弟を失うという悲劇に見舞われただけでなく、思いもよらないスキャンダルに巻き込まれることとなった。映画自体は数々の国際映画祭で賞を受賞したほか、母国のドイツで大ヒット中だが「わたしの感情に何か変化があるわけではありません」とコメントするメスナー氏からは、当時の悲しみややるせなさがいまだ深く残っていることがうかがえた。ただ同時に「この映画は大変強い力を持っている。見終わったときに『どんな危機に直面してもあきらめてはいけない』という印象を持っていただければうれしいです」とメスナー氏は笑顔で語り、東日本大震災で大きな打撃を受けた日本に対しても「今の日本は大変な困難に直面していますが、この映画を観ることで、どんな困難も乗り越えられるということを知っていただければと思います」と力強いエールを送った。

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 日本に登山ブームが到来していることはメスナー氏も知っており、そのことについては、登山を単なるスポーツとして行うのではなく、山で得られる体験を大切にしてほしいとアドバイス。「例えば、わたしは山の中で命を落とすかもしれない体験を何度もした。自然の中で自分たちはちっぽけで無力であり、できないことがたくさんある」と自身の考えを明らかにすると、「しかし、だからこそ文明も発達したのです」と大自然と共存しながら生きる人間のたくましさを改めて知り、勇気に変えてきたという自身の経験についても言葉を選びながら語っていた。

 現在66歳のメスナー氏は、すでに現役は引退し、念願だったという山岳博物館の設立もした。次にしたいこととしては「自分で映画を作りたいですね。冒険ものか、あるいは登山を題材にした作品がいいです」と映画界進出を口にした。その際は監督として自らメガホンを取る可能性を示唆しつつ「ひょっとしたら自然が監督になるかもしれないですね」と、登山家らしい何とも気の利いたコメントで笑顔を見せた。(肥沼和之)

映画『ヒマラヤ 運命の山』は8月6日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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