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スタジオジブリの高畑勲監督、ウワサの新作は2年後?12年間沈黙後の新作に注目集まる

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イベントに出席した高畑勲監督新作について、「はい。でもだいぶ先です……」と消え入るような声で返答
イベントに出席した高畑勲監督新作について、「はい。でもだいぶ先です……」と消え入るような声で返答

 2日、江東区の東京都現代美術館で開催中の「フレデリック・バック展」トークイベントで、新作について質問された高畑勲監督が、思わず小さな声で「(完成は)だいぶ先。2年くらいかかるんじゃないか」とコメントした。

スタジオジブリ最新作『コクリコ坂から』場面写真

 高畑監督と言えば、1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来、およそ12年間発表していない新作が待ち望まれている。かつてスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーがラジオ番組で「高畑監督の新作は竹取物語を題材とした鳥獣戯画風な作品になる」と言及したこともあり、その動向に注目が集まっていた。この日のイベントで司会者から「新作があるんですよね」と問われた高畑監督はいきなり「はい。でもだいぶ先です……」と消え入るような声で返答。さらに「ずっと作っているんですよね」とツッコまれ、「ん……」と思わず言葉に詰まってしまった高畑監督のいつになくしおらしい様子に、会場は笑いに包まれた。

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 「フレデリック・バック展」は、映画『クラック!』『木を植えた男』と2度のアカデミー賞を受賞した孤高のアニメーション作家フレデリック・バックが手掛けた膨大なスケッチ群やアニメーション作品の原画など、およそ1,000点にも及ぶ作品を紹介するという内容。高畑監督は本展覧会の日本での開催を熱望していたという。「われわれに与えた影響は大きいですね。バックさんは40いくつになってから、アニメーションを始めたんですが、あれだけスケッチが大好きな人もいなくて、描くことが苦痛じゃない。だいたいわれわれも40くらいになると、自分の描く絵を減らしたくなるんですが、バックさんは基本的には1人で(アニメーションの絵を)1枚ずつ丁寧に描いていった。バックさんほどやらねばならないテーマが一貫している人はいないですね」とバックからの影響を切々と語った。

 またこの日、高畑と共にイベントに出席した女優の竹下景子は、5年ほど前から女優業と並行して植樹活動を行ってきたいわば「日本の木を植える女」。7月に来日したバックから「継続していくことが希望なんだ」と言われたことがあったそうで、「バックさんみたいに(実際に自分で)木を何万本も植えてきた人みたいに自分も簡単に実践できるわけではないですが、それは本当に大事なことなんだなと改めて思いましたね」と自然と人間との共生をテーマとしたバックの精神に改めて感銘を受けたことを明かした。(取材・文:壬生智裕)

展覧会「フレデリック・バック展」は10月2日まで東京都現代美術館にて開催中

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