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とにかく忙しい人らしい…天才?えせアーティスト?でも研究の成果報酬はゼロで皿洗いもするジョー・デイヴィスのドキュメンタリー上映

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ジョー・デイヴィスの人となりを語るピーター・サソウスキー監督
ジョー・デイヴィスの人となりを語るピーター・サソウスキー監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 ロンドンで開催中の第19回レインダンス映画祭で、ベスト・ドキュメンタリー作品賞にノミネートされている映画『ヘブン+アース+ジョー・デイヴィス(原題)/ Heaven+Earth+Joe Davis』が上映された。上映後、ピーター・サソウスキー監督が質疑応答した。

 本作は、研究家兼アーティストのジョー・デイヴィスを追ったドキュメンタリー映画。ワニに食いちぎられたという片足につけた棒状の義足、白髪の下の鋭い眼光と、特異な風ぼうのデイヴィスは、生き方もそれ以上に独特だ。ピンクのりんごを作り出そうとしたかと思うと、宇宙とDNAを連動させた研究を進めたりもする。講演会や展示会などで、世界中を飛び回っている。知人が「最初は天才? それともえせアーティスト? と思った」と評する人物だ。「今もセミナーとかで日本にいて、来られなかった。とにかく、ものすごく忙しい人なんだよ」とサソウスキー監督は、デイヴィスの映画祭不参加の理由を明かした。

 一方、その研究の成果で報酬が得られたことはなく、生活費にも困る暮らしで、時には皿洗いなどのアルバイトもする。サソウスキー監督は「ジョーは金儲けに興味がないんだ。そんな暇がない。自分の創造力を追うことで手いっぱいだから。それが撮ろうと思った大きな理由だ。人がどういう選択をするか、自分の時間を何に使うかという選択をね。ジョーは極端な例だよ。たいていの人は、お金のために働かなくちゃいけない。そのバランス、そういった一般の人がこれを見て、どう思うかにも興味があった」と話す。デイヴィスの生き方を肯定も否定もせず、見る人の判断にまかせる映画になっている。

 本作のような人物をメインにしたポートレート作品から、動乱の国々を捉えた社会派作品までがそろうベスト・ドキュメンタリー・ノミネート作品には、日本から冨永昌敬監督映画『アトムの足音が聞こえる』も肩を並べている。結果発表は映画祭最終日前日の10月8日となる。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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