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『のぼうの城』犬童一心監督、フィルムからデジタルへの移行で揺れる心境を告白

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犬童一心監督
犬童一心監督

 2日、新宿のK's Cinemaで行われた特集上映「6memorials vol.2 犬童一心×是枝裕和×西川美和の世界」で映画『ジョゼと虎と魚たち』の上映と舞台あいさつが行われ、犬童一心監督とプロデューサーの久保田修氏が登壇した。犬童監督は、フィルムからデジタルへと移行している映画を取り巻く現状について「映画とは何だろうかと考える、いいきっかけになっているんじゃないか」と思いを語った。

 同特集上映は、35mmフィルムの素晴らしさを再確認しようと企画されたイベント。フィルムで映画を上映することの魅力について、犬童監督は「フィルムで投影された光がスクリーンに反射して映像として映し出される瞬間、僕は映画が生まれてきている感覚がある」と思いを告白。

 また、ハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督の「映画はフィルムで撮ってフィルムで映すから映画だ」という趣旨の言葉を引用し、「タル・ベーラは映画を引退する、要は映画は終わったって言ってるんだよ。僕も同意見なんだ」とフィルムからデジタルへの移行を惜しんだ。

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 その一方、デジタルで撮影された作品に感動したと明かし「感動はしたけど、映画としてはどうなんだろうっていう気持ちもあった。答えはわからないけどね」とフィルムを愛する気持ちとデジタルを認める気持ちとの間で揺れ動いていることを明かした。

 そんな犬童監督の秋に公開される新作『のぼうの城』はデジタル作品だ。監督は「昔、武蔵野推理劇場で『ワイルドバンチ』を観ていたころの映画とはもう違うんだな」としみじみ語り、「今作っているものも映画だとしたら映画って何だろう? そんな堂々巡りをしている。でも、そういう今の状況をみなさんに楽しんでほしい。フィルムが全部なくなってデジタルになったら、そうやって悩むこともできなくなるからね」と映画ファンに語りかけていた。

 同劇場では、3日より「にほんのうたフィルム映画祭 ~やれることからコツコツと!東日本大震災復興支援~」も開催予定。こちらでは犬童監督の短編作品が上映される。(取材・文:中村好伸)

「にほんのうたフィルム映画祭~やれることからコツコツと!東日本大震災復興支援~」は3月3日から3月16日20時50分より新宿K's Cinemaにて2週間限定レイトショー

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