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伊原剛志、ブラジル映画で主演!「自然に役に入れた」

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日系ブラジル移民タカハシを熱演した伊原剛志
日系ブラジル移民タカハシを熱演した伊原剛志

 情報統制により敗戦を知らされず、日本の勝利を信じて疑わない日系ブラジル移民たちが引き起こす衝撃的な悲劇を描いたブラジル映画『汚れた心』で、主人公のタカハシを演じた伊原剛志が熱い思いを語った。

映画『汚れた心』場面写真

 監督は、前作『善き人』でナチス政権下のドイツで苦悩する大学教授の姿を描いたヴィセンテ・アモリン。世界で絶賛されたその冷静な視点は、本作にも遺憾なく発揮されており、伊原も「すごく客観的だと感じました。撮影前に2週間かけて全シーンのリハーサルをしたんですけど、僕らの指摘で演出を変えてくれたり、意見を求めてくれたり、最初から日本の役者をリスペクトしてくれていましたね」と振り返る。

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 その姿勢は、伊原だけではなく、共演の常盤貴子奥田瑛二らにもしっかり伝わっていたそうで、「僕たちも、とにかくこの映画が変なアジア映画という印象にならないように、ちゃんとしないといけないと話し合いました」と高い士気を生み出していたという。ブラジルでの2か月に及ぶ撮影も「あれが日本でセットを組んで、日本で撮っていたら全然違ったと思う。自然に役に入れたし、みんなも日本で見る顔じゃないような気がするんですよね」と語り、出来栄えに自信を見せた。

 オーディションに挑んで主演を射止めた伊原。ラテンアメリカのプンタデルエステ国際映画祭で日本人初の主演男優賞を受賞するなど、渾身(こんしん)の演技は観る者の心を揺さぶる。そこには、「タカハシは『NO』と言えずに歴史の渦に巻き込まれてしまうけど、それは『NO』と言えずに個がつぶされる現代にも通じると思う」という伊原の思いがあったという。現代を生きる者だからこそ、凶行へと追い込まれるタカハシの姿に感じるものは多い。決して目を背けてはいけない闇がここにある。(写真・文:小島弥央) [ヘアメイク:山岸直樹(aiutare) スタイリスト:野村昌司(STUTTGART)]

映画『汚れた心』は7月21日よりユーロスペースほかで公開

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