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香港出身の人気俳優ドニー・イェンに聞く!アクション俳優としての彼の価値観とは?

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ドニー・イェン
ドニー・イェン - Andreas Rentz / Getty Images

 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズや映画『HERO』などでおなじみの香港出身の俳優ドニー・イェンが、現在開かれているニューヨーク・アジア映画祭でアクション俳優としての価値観について語った。

ドニー・イェン主演映画『捜査官X』写真ギャラリー

 ドニー・イェンは、中華武術研究所の創建者である母親と新聞社で働く父親のもとに生まれ、北京で武術を学んだ後にアメリカの武術大会で優勝して、映画『ドラゴン酔太極拳』で香港映画界に進出する。さらに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズや、チャン・イーモウ監督のアクション大作『HERO』などで世界的な注目を集め、近年は俳優だけでなくアクション監督なども務めている。

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 まず、中国の武術の違いについて「中国の武術は大きく二つに分かれ、一つは少林寺のような古い型、もう一つは文化大革命の際にできた新しい型で、後者はまるで体操のような型でスコアを付けて競い合っていたんだ。そんな新しい型を学んでいたのが当時北京のマーシャルアーツチームに所属していたジェット・リーで、その他の省区の代表などが全部で30チーム集まって対決していたんだ。この時の政府の意図は、まずこの武術をオリンピックの競技として認可してもらうことだったと思う」と語った。

 ドニーは10代の時にジェット・リーと同じ北京の学校で武術を学んでいたらしいが、「中国は1970年代に、そのような(ジェット・リーのような)武術の選手を海外に派遣するようになり、ジェット・リーのチームがアメリカに来て、ボストンで武術を教える僕の母親の学校を訪ねてきたことがあった。その時にジェット・リーと初めて出会い、僕は彼らの前で武術のパフォーマンスをしたんだ。すると彼らが僕のパフォーマンスを見て、ぜひ北京に来て武術を学ぶべきだと提案してくれたんだ。そして僕は、北京でおよそ1年半、武術学校で学んだが、そのときにはジェット・リーはその学校にもう居なかったんだ」とジェット・リーとは同じ学校で学んだが、学んでいた時期は違っていたことを明かした。

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 長い間アクション俳優でいることについて、「僕はアクション映画にかかわっておよそ30年になるが、アクションのレベルを上げるためには、最終的には俳優としても良い演技を見せることが大切だ。実際に、かなり優れた武術の使い手がこの世の中にたくさんいて、彼らを映画に出演させても、映画のマジックのおかげで、それなりに観客が観られる作品にはなっている。だが、そんなアクション映画から、僕はどこに向かっていけばよいかを数年前から考え始めたんだ。最終的にわかったことは、(アクションも)キャラクターをもとに演技するというごく基本的なことだったんだ」と持論を語った。

 これから挑戦したいことについて、「映画人として常に自己改革していく必要があると思う。仮にある作品で良い演技ができても、必ずしも次の作品で同じような良い演技を続けてできるとは限らないからね。だから、常に好調の状態を保っていなければならない。それと、観客の声を聞かなければいけないとも思っていて、その中でも特に若者の声が重要なんだ。だから最近僕は、自分の子どもとのコミュニケーションを通して、現在何が起きているのかよくテレビを観てわかっている彼らから、僕に対する意見をよく聞き入れているんだ。それは、映画は最終的にはエンターテインメントで、エンターテインメントはよくポップカルチャーが含まれることが多いからでもあるんだ。そのため俳優としては、近年はコメディ映画に出演したり、前作ではロマンチック・ラブストーリーにも挑戦したよ」と話してくれた。

 このほかにも、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズやハリウッド進出のことなどを聞きたかったが、短時間の囲み取材であったために、物足りない気がした。だが、俳優としての基礎を追求する彼だからこそ、30年間映画界で成功を収めることができたということだけは理解できた。アクション以外で活躍する彼の姿にも期待したい。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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