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『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督、6年ぶりの長編は妥協なし!衝撃映像満載のNC-17作品

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(左から)ジーナ・ガーション、マシュー・マコノヒー、トレイシー・レッツ、ウィリアム・フリードキン
(左から)ジーナ・ガーション、マシュー・マコノヒー、トレイシー・レッツ、ウィリアム・フリードキン

 映画『フレンチ・コネクション』や『エクソシスト』などでおなじみの巨匠ウィリアム・フリードキン監督が、新作『キラー・ジョー(原題) / Killer Joe』について、脚本家トレイシー・レッツ、出演者マシュー・マコノヒージーナ・ガーションとともに語った。

 同作は、実の母親と喧嘩した22歳のクリス(エミール・ハーシュ)は、父親アンセル(トーマス・ヘイデン・チャーチ)と義理の母シャーラ(ジーナ・ガーション)、そして妹ドッティ(ジュノー・テンプル)が暮らす家に転がり込むが、麻薬密売組織のボスからの借金が返済できなくなり追われる身となり、命の危険に直面する。ところがクリスは、実の母親を殺害して保険金を手に入れようと企て、警官ジョー(マシュー・マコノヒー)を殺し屋として雇うことを決意するが、彼の思惑通りに行かなくなっていくというドラマ作品。過激な内容から全米で「NC-17]の指定を受け、17歳以下の視聴が禁止されている話題作でもある。

 この作品は、舞台作家トレイシー・レッツが執筆した舞台劇を映画化している。「もともと4人の家族が殺害された事件を基に舞台劇を執筆したが、その事件の詳細は舞台劇では結構変えているんだ。この原作は、僕が一番最初に執筆した舞台劇で、ほとんど一つのセットを舞台に、若い俳優たちが演じてくれていたんだ(シカゴとニューヨークで上演されていた)。ただ、この舞台劇は20年前に書いた作品で、どこか映画化されることに不思議な感覚があった」とレッツは明かした。

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 ウィリアム・フリードキン監督は、前作『Bug/バグ』でもタッグを組んだ脚本家トレイシー・レッツと、再び仕事をすることになった経緯について「この舞台劇を観たときにユニークで素晴らしい作品ではあるが、ダークで非常に心を乱される作品でもあると思ったんだ。トレイシーのような脚本を手にすることは、まず(ハリウッド作品では)ありえない。それに誰か脚本家を雇って、このような脚本を書かせることも無理だと言っていいだろう。だから、そんなユニークで独特の彼の声に、僕は映画化という形で答えただけなんだ」と語り、舞台作家トレイシーの意図していることが良くわかるようになったそうだ。

 これまでのマシュー・マコノヒーの役柄とは異なったイメージで、警官だが殺し屋でもある設定について、マシューは「このジョー役に関しては、脚本のページに明確に記されていたんだ。そのため僕自身があえて役柄を作り上げたりすることもなく、ページに記された役柄を理解するだけだったんだ。この役で苦労したのは、内面を表現する演技を披露することだった。それはこの役が感情的なものより、現実的で正確なことを求めるある意味ビジネスマンみたいな役柄でもあったからだ」と語り、マシュー演じるジョーが、ジーナ・ガーション演じるクリスの義理の母親を殴るシーンは強烈で、寒気がするほどのインパクトの強いシーンになっている。

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 ジーナ・ガーションは、ウィリアム・フリードキン監督の演出について「撮影中に監督と話し合ったりすると、大概の監督は(自分のビジョンを持っているため)俳優の意見はどうでもいいと思っていて、俳優の意見を聞き入れないことが多々あるの。でも、ビリー(ウィリアム・フリードキン)との間には、あくまでリアルに演じているのであれば、何でも受け入れてくれたわ。さらに、常に限界に挑むようなシーンばかりだったから、女優として自由に演じることもできたわ」と満足なタッグを組めたようだ。

 映画はクライマックスシーンが衝撃で、狂気じみた警官役を演じるマシュー・マコノヒーの迫真の演技にぜひ注目してほしい作品だ。6年ぶりの長編作を手掛けたウィリアム・フリードキン監督は、今作で妥協しない映画を作り上げたようだ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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