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デヴィッド・クローネンバーグ監督を直撃!『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソンと組んだ新作とは?

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デヴィッド・クローネンバーグ監督
デヴィッド・クローネンバーグ監督

 映画『ザ・フライ』や『ヒストリー・オブ・バイオレンス』などでおなじみのカナダ出身のデヴィッド・クローネンバーグ監督が、新作『コズモポリス(原題) / Cosmopolis』について語った。

デヴィッド・クローネンバーグ監督作品 映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』写真ギャラリー

 同作は、わずか28歳で巨額の富を手にした金融業界で働くエリック・パーカーは、父親がよく通っていた床屋に散髪をしにいくためにリムジンで移動する。だが道中で大統領の訪問、デモの行進、さらにラッパーの葬式に巻き込まれ、彼の1日が狂い始めていくというドラマ作品。主役エリック・パーカーを、映画『トワイライト』シリーズで名をはせたロバート・パティンソンが演じ、さらにジュリエット・ビノシュサマンサ・モートンマチュー・アマルリックなどの演技派が脇を固めている話題作。

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 まず、この映画の製作経緯についてクローネンバーグ監督は、「これまで映画を200作品近く製作してきたポルトガルのプロデューサー、パウロ・ブランコが、僕の住んでいるカナダのトロントを訪れ、作家ドン・デリーロの原作『コズモポリス』を映画化するように勧めてきたんだ。僕自身、これまでドン・デリーロの作品を数作読んでいて、アメリカの中でも素晴らしい作家の一人だと思っていた。ただ、この作品はまだ読んだことがなくて、二日間掛けて読んだんだ。原作の会話は新鮮で幻想的、さらに惹き付けられる素晴らしいもので、すぐに映画化できると思ったよ」と語り、さらに脚色にも、わずか6日間しか掛けなかったことを明かした。

 すべてのシーンに出演している主演ロバート・パティンソンのキャスティングについて「まずキャラクターの年齢、ニューヨークのアクセントができるか、それとパスポート、このパスポートはカナダのプロダクションであるため、使用できるアメリカ人の俳優の人数が限られているため、それも決め手の一つとして重要だったんだ(ちなみにロバート・パティンソンはイギリス出身)。さらに、この主役はすべてのシーンに出演し、我々もその主役の顔をずっと見ているわけだから、その表情や演技に感情移入できるカリスマ性も必要だったことで、ロバートに決めたんだ」と述べた。確かに『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソンとは全く違った魅力を、監督は映画内で引き出している。

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 映画内のほとんどのシーンがリムジン内の設定であることについて「僕は映画『戦慄の絆』からずっと同じ撮影監督ピーター・サシツキーと仕事をしていて、撮影中も彼と二人で、どのようにこのリムジンを撮影するか話し合ったんだ。実は、この映画内のリムジンはLEGO(レゴ)のように24ピースに分けることができて、それを(撮影のために)取り外したり、くっ付けたりすることができ、実際のリムジンとは違うんだ。もちろん、そうしなければ、自分が撮りたいアングルで撮影したり、照明を入れることができなかったからでもある」と語った。さらにレンズの調整も工夫したようで、観客を飽きさせることのない演出が施されている。

 これまで多くの作品を手掛けてきたクローネンバーグ監督は、メガホンを取ることを断った作品もたくさんあるそうで、「以前、『トップガン』の監督をオファーされたことがあった。ただ僕は、あの映画と自分との関連性を見出すことができなかった。特に映画のトーンは、僕には共感の持てるものではなかったよ。それに、あの映画は典型的なアメリカ作品で、アメリカ人ではない僕にはふさわしくないとも思ったんだ。さらに『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』を、電話でジョージ・ルーカスのオフィス(ジョージ・ルーカスではない別の人物)からオファーされたが、僕は他の監督が手掛けている作品は興味がないと答えると、電話をすぐに切られたよ……(笑)」と語った。そのほかに映画『フラッシュダンス』や『ロボコップ』なども過去にオファーされたことがあったそうだ。

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 最後にクローネンバーグ監督は、『トワイライト』シリーズのファンが、『コズモポリス(原題)』のファンサイトを幾つも作ったことを明かした。しかもその中の一つは『コズモポリス(原題)』の公式サイトよりも見栄えが良かったそうだ。さらにそのサイトでは、原作のドン・デリーロを読むようにファンに勧めているそうで、本を読むことが少なくなってきた若者には良いことだとも語っていた。映画は、一人の男が生きる現実の世界が、まるで架空のように描かれ、大都市の虚無感を映し出している。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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