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演技派バリー・ペッパーが語るアメリカ最大の政治スキャンダルとは?

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バリー・ペッパー
バリー・ペッパー

 映画『プライベート・ライアン』や『25時』などでバイプレイヤーとして活躍してきた演技派俳優バリー・ペッパーが、新作『ロビイストの陰謀』(原題:Casino Jack)について語った。

バリー・ペッパー出演 映画『ロビイストの陰謀』写真ギャラリー

 同作は、ブッシュ政権のもとでロビイストをしているジャック・エイブラモフケヴィン・スペイシー)は、ビジネス・パートナーのマイケル・スキャンロン(バリー・ペッパー)と組んで投資で財産を増やしていた。だが、先住民族が運営するカジノをだまし取ったり、政治家への賄賂を重ねたりするなど、徐々に法律を無視してまで富をつかもうとし、ある事件がもとで失脚し始めていく。アメリカ国内を揺るがした最大の政治スキャンダルを描いた作品。監督は、映画『ファクトリー・ガール』のジョージ・ヒッケンルーパーがメガホンを取っている。

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 バリー・ペッパーは、実際にマイケル・スキャンロンに会えたのか。「彼はFBIの調査には協力的だったらしいが、撮影前に彼からロビイストの活動に関して聞き出すことはできなかったよ。ただ、彼の仕事仲間や友人から話を聞き出すことができた。そのうちの何人かは、彼の行動に嫌気がさして離れていったり、マイケル・スキャンロン自身がそういった仲間を遠ざけていったこともあったらしいが、一部の人たちからは、とても興味深いことが聞けたんだ。例えば、彼がロビー活動をしていたときも、1時間10ドルでビーチのライフガードの仕事も並行して続けていたらしんだ」と語った。また、マイケル・スキャンロンは典型的なサーファータイプだが、ワシントンでは滑らかな口調で人と接していたそうだ。

 実際にはマイケル・スキャンロンが、ジャック・エイブラモフをFBIに密告したことで、ジャック・エイブラモフは逮捕されている。「ケヴィン・スペイシーが、刑務所でジャック・エイブラモフに面会したときに、ジャックは、『僕はマイクに対して敵対心は持っていない。(実際は、自分の刑を軽くするために二人とも、FBIに密告することを考えていた)ひょっとしたら、今でも友人であった可能性はある』と話していたらしい。そこで僕は、ケヴィン・スペイシーとジョージ監督にこの映画の最後のシーンで、彼ら二人の関係が修復する兆しを見せるシーンを追加すべきだと主張して、その映像が残ることになったんだ」と話してくれた。

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 これまで個性的な役を演じてきたバリー・ペッパーだが、もし俳優になっていなかったら、どんな職業をしていたのだろうか。「アート関係の仕事をしていたと思う。実は、僕はアートスクールに通っていたんだよ。ただ、僕の家族がバンクーバーに移ったころに、ちょうどジョニー・デップがテレビドラマ『21ジャンプ・ストリート』を僕の家の近所で撮影していたんだ。その当時アートスクールを卒業したばかりの僕は、フリーランスのグラフィックデザインの仕事をしていたんだけれど、近所に撮影用のトレイラーやトラックが止まっていて、それを見てエキストラみたいな職業も悪くないと思ったんだ。それが俳優の道につながっていった。もちろん、それから何年にもわたって演技の勉強をすることになったけれどね」と俳優になったきっかけを明かした。

 映画は、交渉力に長け、政治の動きすら変える能力を持っていたロビイストが、大物政治家たちをバックに力を行使してきたが、ある事件をもとに急激に変化し、しょせんは政界の黒幕のスケープゴートにすぎなかったことが刻々と描かれている。日本ではあまり知られていないアメリカの政界の汚点を、この映画を通して学んでみたらどうだろうか? (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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