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世界に広がる珠玉の女子高生映画『ももいろそらを』 インディペンデント映画とお金との関係は!?

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インディペンデント映画について語った(左から)小林啓一、原田博志、矢田部吉彦
インディペンデント映画について語った(左から)小林啓一、原田博志、矢田部吉彦

 8日、Apple Store Ginzaで映画『ももいろそらを』の小林啓一監督、東京国際映画祭の矢田部吉彦プログラミングディレクターがトークショーを実施、インディペンデント映画の現状を語った。

世界に広がる珠玉の女子高生映画『ももいろそらを』

 新聞の採点を日課としている女子高生が大金の入った財布を拾い、その持ち主を探し当てたところから起きる波紋を鮮烈に描き出した本作は、昨年の第24回東京国際映画祭の「日本映画・ある視点部門」で作品賞を受賞。その後も、サンダンス映画祭を筆頭に、世界14か国、20におよぶ映画祭で上映され、各地で好評を博した珠玉の青春映画だ。

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 「海外では映画制作をビジネスとして成立させている」と切り出した小林監督は、「日本では内輪でとりあえず映画を作ろう、というところから始まるが、これではクオリティが下がってしまう」とインディペンデント映画の現状を指摘。さらに「サンダンス映画祭で言われたのは、ヨーロッパもアジアも、日本も含めて、ハリウッドから見たらみんなインディペンデントじゃないかということ。だったら映画をビジネスとして考えないと衰退すると思う」とコメント。

 さらに途中からトークショーに参加した原田博志プロデューサーは「1万人から2万人に響けば、入場料1,000円として、興収は1,000万~2,000万円ほど。そして普通にスタッフを雇う場合、最低でも1,000万くらいはないと映画としては成り立たない」と言及。小林監督によると、本作の撮影日数は、低予算のインディペンデント映画としては比較的余裕をもった2か月半ほどだったというが、「言い方は悪いが、映画に参加できるというエサで釣ってスタッフにはギャラを払わない。それで撮影日数を短くして一気に撮る。そんな物作りの現場をもう一度考え直したかった」と付け加えた。

 さらに撮影前には2、3か月かけてしっかりと俳優たちのリハーサルを実施。スタッフはおよそ5、6人と少人数だったが、準備期間、撮影期間に余裕を持たせることで、低予算を感じさせない、丁寧で見ごたえのある作品となった。そんな本作は今月17日より2週間、Appleが運営するiTunes Store内の東京国際映画祭特設ページで本作の有料試写配信が行われる。「ブレッソンの『ラルジャン』を彷彿とさせる」などなど、世界が絶賛した本作を劇場公開よりひと足先に鑑賞できる機会となるはずだ。(取材・文:壬生智裕)

映画『ももいろそらを』は12月より新宿武蔵野館にて公開

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