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ロバート・ゼメキス監督の12年ぶりの実写映画はアカデミー賞作品賞候補?

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(左から)ロバート・ゼメキス監督、ジョン・グッドマン、ドン・チードル、メリッサ・レオ、脚本家ジョン・ゲイティンズ、ブルース・グリーンウッド、デンゼル・ワシントン
(左から)ロバート・ゼメキス監督、ジョン・グッドマン、ドン・チードル、メリッサ・レオ、脚本家ジョン・ゲイティンズ、ブルース・グリーンウッド、デンゼル・ワシントン

 第50回ニューヨーク映画祭(50th N.Y.F.F)でクロージングナイトを飾った話題の新作『フライト』について、ロバート・ゼメキス監督、主演デンゼル・ワシントン、さらに共演者ジョン・グッドマンドン・チードルメリッサ・レオブルース・グリーンウッド、脚本家のジョン・ゲイティンズらが語った。

 同作の主人公ウィップ・ウィテカー(デンゼル・ワシントン)は、ドラッグや酒浸りの生活を送りながら旅客機のパイロットを務めていた。ある日、機体に不備があったために旅客機が墜落しかけるが、ウィテカーの操縦により奇跡的に大惨事を免れ、乗客の命を救ったことで、彼は一躍世間に注目されるようになる。だが、彼の操縦していた際の体のコンディションが、世間や調査員から疑問視されていくというヒューマンドラマ作品。映画『キャスト・アウェイ』から、なんと12年ぶりに実写映画のメガホンを取るロバート・ゼメキス監督の演出にも注目。

 まず、脚本家ジョン・ゲイティンズは「1999年に40ページ分の脚本を書いたが、映画化するのは無理だと思って執筆を(一時期)やめた時があった。だが、もともとこの脚本は、二つの死に対する恐怖から生まれたもので、それは飛行機で死ぬことと、急性アルコール中毒で死ぬことだった。そんな、二つの死について考えながら執筆していたものを、後に主人公のアルコールからの回復(リカバリー)や真実の価値について記すこととなり、さらに道徳観も脚本に加えながら、この10年間で徐々に脚本を膨らませていくことになった」と語った。脚本は様々な人間の心理をえぐっていく構成になっている。

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 ロバート・ゼメキス監督は「僕がこの脚本に興味を持ったのは、キャラクターやシーンがもたらす道徳観の曖昧さなんだ。特に主人公ウィップの薬物乱用は、(原因となる)真の問題(心の病)と比べたら、あくまで症状的なものにしかすぎない。なぜなら、主人公ウィップの真の問題は、家族や友人たちから関係を絶とうとすることにあるからだ。だから、僕自身はこの映画には、回復(リカバリー)というよりは、むしろ人間の崩壊という見解を持っている」と話した後、さらに「ほとんどのキャラクターやシーンは脚本に忠実で、その内容をほとんど変えていない。それに脚本家ジョン・ゲイティンズが、初稿で記した操縦する飛行機が逆さまになっているシーンもそのまま含まれ、降下していく際の手段として僕自身も良いアイデアだと思った。そのほかに航空専門家とも話したり、飛行場を訪れたり、できるだけ僕らはリアルなアプローチをすることにした」と明かした。

 体調が悪かったデンゼル・ワシントンは、記者会見の途中から参加したが「脚本を気に入り、さらにこの映画をロバート・ゼメキスが監督するということで、僕はすぐに(この映画に)飛びついたんだ。機長役を演じるうえでは、フライトシミュレータ(飛行の操縦訓練するための模擬飛行装置)を使う機会を得ることができた。僕自身はこの役も含め、いつもいろいろな役を演じられることは素晴らしいと思っている。今回の役もいまだに体に染み付いているくらいだ」と語った通り、デンゼル・ワシントンはアカデミー賞主演男優賞候補に挙げられるほどの熱演をこの映画で披露している。

 映画は観客が主人公を通して道徳心のあり方という疑問を突きつけられるような感覚にさせられる作品に仕上がっている。映画『フライト』は、2013年3月1日より丸の内ピカデリーほか全国公開。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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