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トレーナーを死なせてしまったシーワールドのシャチを描いた衝撃の問題作とは?

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ジョン・ハーグローヴ
ジョン・ハーグローヴ

 今年のサンダンス映画祭で話題になったドキュメンタリー作品『ブラックフィッシュ(原題) / Blackfish』について、シーワールドのトレーナーだったジョン・ハーグローヴが語った。

 同作は、2010年にフロリダのシーワールドで雄のシャチ、ティリカムが突如女性トレーナー、ドーン・ブランショーを襲い死亡させてしまった事件を通して、多くのトレーナーへのインタビューや同様の事件を振り返りながら、海洋哺乳類を扱ったシーワールドの実態に迫っていく問題作。

 まず、ジョンがトレーナーになった経緯は「子どもの頃、夏休みに両親にシーワールドに連れて行かれ、シャチとトレーナーの関係性、水の動き、トレーナーの身体的能力に惹かれて、その頃からトレーナーになりたかった。その後、テキサスやカリフォルニアのシーワールド、南フランスのマリンランドを含め、14年間もトレーナーをして昨年8月に辞めたんだ」と明かした。

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 雄シャチ、ティリカムについて「シーワールドに居るシャチの中で、過去に人間に攻撃してきたもの、性格が荒いものは、高い塀に囲まれたプールの中で普段から隔離され、パフォーマンスする時に出される。ティリカムもそうだった。そのため、最も経験のあるトレーナーの一人、ドーン・ブランショーなど、ほんの一握りの人だけがティリカムの世話をすることが許されていた」と答えたが、過去に人を死なせてしまったこのシャチを、いまだにシーワールドは新たな繁殖のために生かしている。

 様々な問題を抱えたシーワールドで、ジョンは現実に直面する。「僕がこのシーワールドを辞めた理由は、アレキサス・マルティネス(トレーナー)の死、ドーン・ブランショーの死に関してのシーワールドの経営陣の法廷での証言が、全てが会社の私欲によるものだったからだ。最初は何かシャチとの間に問題が起きたら、会社が僕らを守ってくれると信じていたが、このような事件が起きて、トレーナーの個人的責任にしてしまう会社に嫌気がさし、仕事を維持していくことができなくなった」と語り、彼自身の意見が物議を醸していることも本人は理解しながら、あえて主張した。

 映画は、シーワールドのシャチがパフォーマンスができるまで数年かかり、その維持費も膨大なのは理解できるが、このような事件にどう対応するか、かなり議論を呼ぶ作品になりそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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