障害を長所に変えるパワーの源…「フラッシュバックメモリーズ」DVD化！
10日、タワーレコード渋谷店でDVD「フラッシュバックメモリーズ」発売記念トークショーが行われ、キャストでアーティストのGOMAと松江哲明監督が出席した。本作は、2009年11月の追突事故により記憶障害などの症状を有する高次脳機能障害を負ったGOMAが、リハビリに励み徐々に回復していく過程を、ライブ映像やイラスト、アニメーションなどを組み合わせて描き出した異色作。第25回東京国際映画祭の観客賞を受賞するなど、高く評価された。
ソフト化について「とにかくGOMAさんがすぐに観られるものに、繰り返し観てもらえるものにしたかった」と思いを語った松江監督。その言葉を受けたGOMAは「冷静に、客観的に観られるようになったのは最近。時間の流れの感覚があまりないので、改めてDVDを観てみると、知らない間にこんなにも時間がたっているのかと思う。（事故があった）あの日からの記憶が完全にここに詰まっている」と感激した表情を見せる。
「舞台あいさつや取材なんかでも、GOMAさんは同じ話をいつも新鮮に話すんです。僕なんかまた同じ話をしているなと思ったらすぐに顔に出ちゃうから、GOMAさんを見習わないと」という松江監督に対して、GOMAは「毎回忘れるのが僕の特技だし、長所。ライブなんかで同じ曲を演奏しても、毎回、同じエネルギーを注げているのを感じる」と前向きだ。
ポジティブな姿勢を目の当たりにした松江監督は「GOMAさんに相談をすると『大丈夫、僕はすぐに忘れますから。いつだってフレッシュなんです』と言ってくれる」としみじみ。
GOMAは「以前は人前に出るのもしんどかったけど、映画が出来てからは説明する必要がなくなった。それプラス、ちょっとずつ脳も進化しているから、だんだんとこれでええんやと。まだ俺にもできることがあると素直にみんなが思わせてくれた。それは映画の力だと思います」と感謝の気持ちを述べた。（取材・文：壬生智裕）
DVD「フラッシュバックメモリーズ スペシャル・エディション＜2枚組＞」は発売中（税込み：4,935円）
