“オスカー前哨戦”で『世界にひとつのプレイブック』『アルゴ』に続いて評価された良作を発掘！
2012年、“オスカー前哨戦”ともいわれるトロント国際映画祭で、観客賞次点2位に選ばれた『ゼロ タウン 始まりの地』のDVDがいよいよリリースされる。
毎年9月上旬に開催されるトロント国際映画祭はアカデミー賞の行方を占う映画祭。最高の栄誉にあたる観客賞には、『スラムドッグ$ミリオネア』『プレシャス』『英国王のスピーチ』といったアカデミー賞受賞作が選ばれているからだ。2012年はその観客賞を『世界にひとつのプレイブック』（アカデミー賞主演女優賞を受賞）が獲得。次点には『アルゴ』（同作品賞を受賞）が選ばれ、次点2位に輝いたのがこのイギリスとイスラエルの合作映画『ゼロ タウン 始まりの地』だった。そんなアカデミー賞作品にも劣らぬ秀作が、DVDのみで見られることになった。
本作の舞台は1982年のレバノン。パレスチナ人難民キャンプに捕虜としてとらわれたイスラエル軍のパイロット（スティーヴン・ドーフ）が、パレスチナ人少年（アブダラ・エル・アカル）の協力で脱出。一緒に国境を目指すロードムービーだ。作品の背景はシリアスで衝撃的。パレスチナ人少年はテロリストの訓練を受けている。国境越えはまさに命懸けだが、少年の度胸と機転で難を逃れながら前進。そんな厳しい状況の中で人種、宗教、世代とまるで正反対の二人が最初は反発し合いながらも、それぞれの“目的”のために共に行動するうちに友情が芽生えていく。戦争の悲惨さに考えを巡らせ、二人の友情が感動に導く、社会派ドラマとしても人間ドラマとしても見応えたっぷりの作品となっている。
二人は果たして“目的”を果たすことができるのか。本作の結末をぜひとも確認してほしい。（岩永めぐみ）
映画『ゼロ タウン 始まりの地』DVD（税込み：3,990円）は8月23日発売＆TSUTAYA独占でレンタル開始
