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鳥越俊太郎&さやか父娘、ジャーナリズムの裏にある親子の思いを語り合う

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鳥越俊太郎&鳥越さやか
鳥越俊太郎&鳥越さやか

 日本女子大学目白キャンパスで26日、映画『ランナウェイ/逃亡者』公開直前トークイベントが行われ、ジャーナリストの鳥越俊太郎とヴォーカリストで女優の鳥越さやか父娘がジャーナリズムの裏にある親子の思いを語った。

映画『ランナウェイ/逃亡者』場面写真

 ベトナム戦争への反対を過激な手段で表明していた1970年代アメリカの反体制組織ウェザーマンを題材とした本作。FBIの最重要指名手配リストに載りながらも、自分の素性を隠し、30年もの間、逮捕を免れてきた人権弁護士ジム・グラントの穏やかな日常が、若き新聞記者のスクープ記事により崩壊してしまうさまを描いている。俳優のみならず、監督としても数々の傑作を送り出したロバート・レッドフォードの監督・主演作となる。

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 本作には若き新聞記者シェパード(シャイア・ラブーフ)が登場するが、さやかは「父もかつては、(シェパードのように)記者としてでなく、人間としてどう思うのかといった葛藤をしたのかなと思いました。わたしにとっての父は、狭い部屋でバンダナをしながら書いているような人。今はテレビとかに出ちゃって、ブランドものを着たりして違う人みたいだけど、もともとはブランドの“ブ”の字もない人だった。むしろ今の方が『大丈夫? 浮かれないでね』と心配してしまうくらい」と娘だから言えるユーモラスなコメントに、会場も笑いに包まれた。

 一方、鳥越は「ジャーナリストとして何となく最近は物を言いづらくなったような空気を感じる」と言う。その例として、政治家の小沢一郎の政治資金規正法違反問題を挙げた鳥越は「東京地検のあの捜査、検察審査会のやり方はおかしいぞとテレビで言ったけど、何となくそういうことを言いづらいような息苦しさを感じることがある。ほかにも安倍内閣の集団的自衛権の問題とかも、東京オリンピックの招致に成功したことで、異論をはさむことが難しいような空気を感じますね」と明かした。

 これに対し、さやかは「昔の方がタブーに切り込んでいった父がいるような気がします。そこで家族が危ない目に遭ったわけではないけど、怖いから気を付けろよといったような空気は感じていました。人が言わないことを言う父を尊敬します。だから言い続けてほしいとは思うけど、世の中的には難しいのはわかるので、家族としては複雑です」と正直な思いを吐露。鳥越は神妙な面持ちで「わかりました」と娘の話に耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ランナウェイ/逃亡者』は10月5日より新宿武蔵野館ほか全国公開

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