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ドキュメンタリーと劇映画の境界は?日本を代表する監督たちが豪華顔合わせ!

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貴重なトークを展開した4監督(左から)原一男監督、ヤン・ヨンヒ監督、入江悠監督、崔洋一監督
貴重なトークを展開した4監督(左から)原一男監督、ヤン・ヨンヒ監督、入江悠監督、崔洋一監督 - 写真:中山治美

 第13回 山形国際ドキュメンタリー映画祭で14日、「ドキュメンタリー映画の地平線」と題したトークイベントが開催され、日本映画監督協会賞の審査員を務めた原一男入江悠、同協会理事長の崔洋一、そしてスカパー!IDEHA賞の審査員であるヤン・ヨンヒという、豪華監督たちの顔を合わせが実現した。

 主なテーマは「ドキュメンタリー映画と劇映画の境界線」。ドキュメンタリー出身の原監督とヤン監督、劇映画一筋の崔監督と入江監督だけに、トークの異種格闘技戦が展開されるかと思われた。しかし、山形初参加の入江監督は「観ている方としては、限りなくフィクションに近い感覚。基本的にほとんど変わらない」と語る。

 しかし、原監督の劇映画『またの日の知華』の話題になると、流れが変わった。同作は、一人のヒロインの人生を、4人の女優が演じ分けて描く異色作。原監督はヒロイン役の一人・桃井かおりに「ドラマはドキュメンタリーと違って、監督が俳優を動かしてくれないと動かないのよ」と叱責(しっせき)され、涙を流したという。

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 原監督は「その発言に全面的に納得したわけじゃないが、それはわたし最大のミス。『ゆきゆきて、神軍』は奥崎(謙三)さんが元兵士を訪ねるように仕掛けをすれば、あとは待っていれば良かった。その感覚を、劇映画を撮るときに引きずっていたんです。でも桃井さんがすさまじい理屈で要求をするんだよ。『この芝居はどういう意味があるの?』って。ひどい女優なの。でも、そこが他にはない彼女の魅力」と当時を振り返った。

 その言葉を受けて、『かぞくのくに』で同じく劇映画に初挑戦したヤン監督も「境界線はないという話の後に何ですが、作り方は全然違う。特にわたしは(劇映画の)現場経験がなかったから、俳優やスタッフにわたしが注文していいんだって、数日後に気付いた」と戸惑ったことを告白した。

 もっとも、長年山形に通っている崔監督は、境界線を引くことに一貫して異論を唱え「これは事実ですよと伝えている中にはどこかいかがわしさもあって、わたしはそのいかがわしさを抽出して物語にしてきた。そういう意味では、劇映画、アニメ、ドキュメンタリーとか選別される箱があるけど、あまり意味がない時代に入ってきているのじゃないか。それは山形でいろんな映画を観て学んだこと」と持論を展開した。なお、この模様はBSスカパー!で10月20日午後8時から放送される(再放送あり)。(取材・文:中山治美)

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