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引退表明のツァイ・ミンリャン監督、金馬奨獲得に涙…また撮りたいの言葉も

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受賞に涙を抑えきれなかったツァイ・ミンリャン監督
受賞に涙を抑えきれなかったツァイ・ミンリャン監督 - 映画祭提供

 第50回台北金馬奨の授賞式が23日に台北市内で行われ、最新作『ピクニック』で監督引退を表明しているツァイ・ミンリャン監督が最優秀監督賞を受賞した。最優秀主演男優賞にはリー・カンションも選ばれ、W受賞を果たした。

 台湾女優ヤン・クイメイからトロフィーを受け取ると、ツァイ監督は溢れる涙を抑えきれなかった。しかし、第一声は「落ち着いているふりをしていますが、混乱しています。わたしはこれまで金馬奨と相性が良くなかったので、まさか受賞するとは思わなかった」と心情を吐露した。

 ツァイ・ミンリャン監督は国際的な評価を受けながらも、同賞の受賞は『愛情萬歳』以来、実に19年ぶりとなる。巨大化&娯楽化する中国語映画圏市場において独自のスタイルを貫いてきたツァイ監督。しかし引退を決めた理由の一つには体調不良の問題もあって、その中であらがっていく気力がなくなったことを、引退を表明したベネチア国際映画祭で明かしていた。それだけに、長編最後になるであろう本作での受賞には、複雑な思いがあるのだろう。

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 しかし、ベネチア国際映画祭での審査員大賞に続いての受賞と、まるで引退を惜しむかのような評価に、心境も変化しているようだ。壇上で、長年共に戦い続けてくれたリーへの感謝の言葉を述べると同時に、「また映画を撮りたいと思った」と監督業続行の意思をのぞかせる言葉も飛び出し、会場から大きな拍手を浴びていた。

 ツァイ監督は現在開催中の第14回東京フィルメックスに『ピクニック』を引っ提げて来日予定だが、その発言が注目されそうだ。(取材・文:中山治美)

金馬国際影展は28日まで開催

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