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『パラダイス・ナウ』のアリ・スリマンが語るイスラエル国境で捕らわれた芸術家とは?

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新作『マーズ・アット・サンライズ(原題)』製作の裏側を明かすガイ・エルハナン、ジェシカ・ハビー監督、アリ・スリマン(左から)
新作『マーズ・アット・サンライズ(原題)』製作の裏側を明かすガイ・エルハナン、ジェシカ・ハビー監督、アリ・スリマン(左から)

 アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品『パラダイス・ナウ』で注目されたアリ・スリマンが、新作『マーズ・アット・サンライズ(原題) / Mars at Sunrise』について、俳優ガイ・エルハナン、ジェシカ・ハビー監督と共に語った。

世界各国で上映され論争を引き起こした映画『パラダイス・ナウ』写真ギャラリー

 同作は、国境を問わず芸術の自由を主張したパレスチナの画家ハニ・ズロブの半生を基に映画化した作品。ユダヤ人の若き詩人アザデは、イスラエルへ向かう国境付近のパレスチナの街ジェニンで、パレスチナの画家カレッド(アリ・スリマン)に出会い、共に国境に向かうが、カレッドはイスラエル側のチェックポイントで警官エヤル(ガイ・エルハナン)の姿を発見する。カレッドは、かつて自身の作風が理由でエヤルに捕らわれ拷問にあった体験を振り返る、というストーリーだ。

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 アリの出演経緯は「女性監督がこうした題材を描くことが新鮮だった。ただ、映画のコンセプトはスタイリッシュなアプローチをするということで違和感があったが、実際にジェシカ監督に会い、彼女のドキュメンタリーを鑑賞し、尊敬したんだ。カレッドは自由を求めた画家で、さらに国境のない芸術家という役柄が、挑戦するに値すると思った」と明かした。

 映画内では異なる言語の楽曲が流れている。「実は音楽が今作の起点になっているの。以前にレコーディング・スタジオを建てて、全くスタイルの違ったクリエイティブなミュージシャンを集め、音楽ドキュメンタリーを製作したことがあったの。今作では、そんな音楽のインスピレーションを頼りに、長編ストーリーを構築したわ。だからさまざまな楽曲を映画内では使用していて、ヘブライ語、アラビア語、ロシア語、英語などの楽曲が入っている」と、ジェシカ監督は音楽でも国境のない選択をしたようだ。

 ガイは母国イスラエルでは、ラジオ・パーソナリティーや舞台をこなすが、どの程度脚本に携わったのか。「企画からできる限り共同作業する意思をジェシカから伝えられたが、僕が演じるエヤルはフィクションだったため、アーティストとしての僕の実体験をどの程度含めるかが問題だった。結局、僕だけでなくジェシカの体験も含めたことで、役柄に真実味を持たせた」と明かした。

 映画は、イスラエルとパレスチナの国境問題を描く通常の映画とは異なり、スタイリッシュな映像のアプローチを通して、自由を求める芸術家をうまく特徴付けている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hooski)

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