女子を魅了するプリキュアの魅力とは？

　2004年の放送以来、未就学女児の選ぶ好きなキャラクター、ナンバー1に輝き続ける（2012年6月、2013年6月株式会社バンダイ調べ）「プリキュア」が、今年シリーズ10周年を迎えた。イギリスやイタリアなど海外でも放送され、世界中の女子をとりこにしている同作の魅力を検証した。

『映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』作品情報

　プリキュアは世界を救う伝説の戦士。か弱き者を守るため、強大な敵にも果敢に向かっていく心の強さを持ち、パンチやキックで激しい闘いを展開。何度やられても立ち上がり、仲間と助け合いながら敵に立ち向かっていくかっこいい姿が憧れの対象となっている。

　しかしその正体は、ごく普通の女の子。恋やオシャレを楽しむ華やかな一面を見せる一方、引っ込み思案で友だち作りが苦手な自分が嫌になったり、自分が傷つく恐怖から他人を拒絶し、人を傷つけてしまったりして悩むことも。そういった誰もが心に抱えるネガティブな気持ちに真っ直ぐ向き合い、苦難を乗り越えて理想の自分になろうと頑張る少女マンガの王道ストーリーが、幅広い世代のファンを獲得するに至った最大のポイントだろう。

　「リボンの騎士」や「美少女戦士セーラームーン」から生まれた「バトルヒロイン」の流れを継承しつつ、主人公を「普通の女の子」にすることで共感を呼んだプリキュア。その人気はシリーズを重ねるごとに増し、2013年に劇場版13作品の累計観客動員数が1,000万人を突破。ゴスロリ風コスチュームをはじめとするキャラクター関連グッズの売り上げは年間100億を越え、ゲームやスマホアプリなどのメディアミックス展開や劇場ミュージカルが行われるなど、10年経った現在でも人気は好調。作品ごとに新要素を加え、女子の憧れを紡ぎ続けている。

　「プリキュア」シリーズでは、 これまで全5作品が公開されてきた「映画プリキュアオールスターズ」の集大成といえる劇場版最新作が間もなく公開する。夢の世界に閉じ込められた子どもたちを救うべく、歴代プリキュア33人に最新テレビアニメシリーズ「ハピネスチャージプリキュア！」のメンバーを加えた総勢36人のプリキュアが大集合し、かつての「プリキュア」ファンも楽しめる10周年の節目にふさわしい一作となっている。（中村美奈子）

『映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』は3月15日より全国公開