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女優・岸恵子、故・市川崑監督との思い出を語る

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女優・岸恵子
女優・岸恵子

 27日、「第二回 新・午前十時の映画祭」のオープニングイベントとして映画『細雪』の特別試写会がTOHOシネマズ日本橋で行われ、女優の岸恵子が故・市川崑監督との思い出を語った。

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 往年の名作をスクリーンで上映する人気企画「新・午前十時の映画祭」。今回から日本映画がラインナップ入りしたことを記念し、上映作品の『細雪』に出演する岸がゲストとして来場したこの日の試写会は、約220席の定員に対し、4,000通以上の応募が殺到するなど注目度の高さがうかがい知れた。

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 『おとうと』『黒い十人の女』など、数多くの市川作品に出演してきた岸だが、その出会いは1956年の映画『忘れえぬ慕情』の撮影中、出番がなかった岸がホテルで本を読んでいたところに市川監督が訪れたことから始まったという。当時について岸は、「いきなり大監督が目の前に現れて。『この台本を読んでください。これはあなたしかできない映画です』と。それが映画『おとうと』だった」と述懐した。

 その後、パリに移住した岸に対しても、市川監督自ら何度も電話をかけて出演交渉が行われたといい、1977年の『悪魔の手毬唄』のときに監督と交わしたという「今度は殺人鬼の役や」「何人殺すの?」「5人や」といったやりとりを楽しそうに振り返った。

 だが、1983年の『細雪』のときはそれまでと少し違っていたという。「弾まない声で『今度はあんたはミスキャストやと思うけど、とりあえず帰ってきて』と。わたしは船場言葉は話せないし、『細雪』は山本富士子さんのような言葉がきれいな方がやる方がいいと言ったんだけど、東宝からはわたしでということになって。のこのこ帰ってくるわたしも人がいいんだけどね」と岸は笑う。

 しかし、実際に撮影に入ると市川監督は「あんたの着物の着方はだらしないからいい」と岸の長女役を大変に気に入ったといい、「あの当時、わたしは結構着物を着ていたんです。だから着物教室で着つけたようなよそ行きではなく、家事をやるような生活感が出ていて。『あんたは適度に汚れて着崩れている。ミスキャストだと思っていたけど良かったね』と言ってくれた。わたし、いいことしか覚えてないの」と笑いながら付け加えていた。(取材・文:壬生智裕)

「第二回 新・午前十時の映画祭」は4月5日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国52の劇場にて開催

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