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山本政志、テレビ出身の大根監督との自主映画『恋の渦』の秘話を語る -ウディネ・ファーイースト映画祭

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大根仁監督のことを評価する山本政志監督
大根仁監督のことを評価する山本政志監督

 大根仁監督の映画『恋の渦』がイタリアで開催中の第16回ウディネ・ファーイースト映画祭で上映された。大根監督は新作の準備のために現地入りできなかったが、製作を務めた山本政志監督と出演者の新倉健太柴田千紘後藤ユウミ上田祐揮松下貞治が来場し、トークイベントに参加した。

映画『恋の渦』場面写真

 同作品は、演劇ユニット「ポツドール」の三浦大輔が手掛けた同名戯曲の恋愛劇で、山本監督が主宰した実践映画塾「シネマ☆インパクト」の企画の一つとして映像化された。著名俳優はおらず、撮影期間4日の製作費130万円で製作された映画だが、口コミで評判が広まり大ヒットに。うわさは海外にも波及し、第38回香港国際映画祭に続いてのイタリア上陸となった。今後もドイツやスコットランドの映画祭に招待されている。

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 山本監督は「自分の好きな監督12人を集め、低予算で作品を作って勝負しようという企画だった。その中で“インディペンデントであること”に一番向き合ってくれたのが、自主映画出身の監督ではなく、テレビ出身の大根監督だったことがうれしくもあり、悲しくもある。そんな遊びの延長で生まれた企画で、既成の役者たちではないメンバーとここに来て、違った日本の側面を提供できたのは幸せ」と本映画祭に参加する意義を語った。

 山本監督自身、転機となる企画だったという。山本監督はデビュー作『闇のカーニバル』(1981)がカンヌ国際映画祭にて上映されて注目を浴び、香港との合作映画『てなもんやコネクション』(1990)では専用上映館を建設するなど自主映画界で気を吐いてきた。だがその後、博物学者・南方熊楠を題材にした映画が頓挫、負債を抱えてしまい、「最近ようやく更生しようと思った」と考えるようになった中での試みだったという。

 2012年にスタートした「シネマ☆インパクト」だが、「問い合わせがたくさん来るようになって、今がやめ時だなと思った」(山本監督)と昨年で終了。しかし『恋の渦』の成功で、山本監督は長編『水の声を聞く』(公開未定)の製作費を捻出することができたという。山本監督は「そういう意味ではここにいる役者たちが僕の映画のプロデューサー。皆さんにお礼を言わなければならないな」と、奮闘した俳優陣に感謝した。(取材・文:中山治美)

映画『恋の渦』のDVD(税抜2,800円)とブルーレイ(税抜4,700円)はポニーキャニオンより6月4日に発売
第16回ウディネ・ファーイースト映画祭はイタリア・ウディネ市内で5月3日まで開催

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