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シュワちゃんが負けた日…同性婚合法化をめぐる裁判を追ったドキュメンタリーとは?

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映画『ザ・ケース・アゲンスト8(原題)』海外ポスタービジュアル
映画『ザ・ケース・アゲンスト8(原題)』海外ポスタービジュアル

 米カリフォルニア州での同性婚合法化をめぐる裁判を追ったドキュメンタリー映画『ザ・ケース・アゲンスト8(原題) / The Case Against 8』がサンダンス・ロンドン・フィルム&ミュージック・フェスティバルで上映され、共同監督のライアン・ホワイトとベン・コトナーがQ&Aを行った。

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 カリフォルニアでは、一度は合法とされた同性婚が、2008年11月に違法に戻された。男女間の結婚のみ認めるものとするという「プロポジション8」が通ったためだ。その「プロポジション8」が人権侵害であると訴えることにより再度同性婚を取り戻そうという裁判は、2組の同性カップルが同性婚支援グループと協調して闘った。

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 ジョージ・W・ブッシュアル・ゴアの大統領選の際にブッシュ陣営の弁護士を務めたテッド・オルソンが、同性カップルの弁護士となる。テッドは、保守派から裏切り者と呼ばれる一方、同性婚支援者からは「裁判で欠席して負けに導く気では?」との憶測までされる。だが、そのテッドにより、もう1人の強力な弁護士が仲間に引き入れられる。なんと、ゴア陣営にいたデヴィッド・ボイスだ。かつて敵味方だった弁護士が、お互いの力量を一番よく知る者同士として敬意を示し合う姿もこの映画の見どころだ。

 それについてホワイト監督は「その2人が組んだというのが、僕らが撮ろうと思った理由でもある。アメリカの法の天才2人だよ」と語った。この映画が初監督作となるコトナー監督は「僕らはカップルではないよ」と笑わせつつ、これが3本目のホワイト監督について「彼の経験が役立ったし、長い期間にいろいろ起こってくることをカバーするためにも助かったよ。片方が感情的な部分に魅了されている時に、もう一方は法的なことに注目しているという具合に、映画のバランスも良くなった」と弁護士コンビ同様、監督コンビのチームワークもうまく機能したという。

 最初の裁判は、カップルのうちのクリス・ペリーが、当時のカリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガーを相手取り、クリスの勝訴。だが、すぐに次の裁判を起こされ、結果的には4年かけて争われた後、同性婚は再び合法とされた。スリリングな裁判劇のダイナミズムを備えつつ、カップルの愛が感動を呼ぶ本作は、サンダンス映画祭米ドキュメンタリー部門監督賞ほか複数の映画賞を獲得している。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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