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映画監督・辻岡正人、妥協ナシ貯金ナシで作り上げた渾身の一作とカンヌ入り!

第67回カンヌ国際映画祭

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渾身の一本と共にカンヌに向かう辻岡正人
渾身の一本と共にカンヌに向かう辻岡正人

 俳優としても活躍する映画監督の辻岡正人が、最新作『BLACK ROOM』を携えて、14日(現地時間)から開催される第67回カンヌ国際映画祭のマルシェ デュ フィルム(映画マーケット)に乗り込む。企画にプロデューサー、監督、主演、編集、脚本はもちろん、撮影に照明、美術監督を一人で務め、情熱と貯金を全てつぎ込み、企画から5年をかけて作り上げた自主制作映画だ。

 世界最大規模の映画産業マーケットでも知られているカンヌ映画祭。辻岡は当初、フランス監督協会が主催する「監督週間」の上映を狙ったが、選に漏れた。しかし同作を気に入った選考委員から、「カンヌに来られるなら、マルシェの上映で会おう」と連絡があったという。

 あくまでマーケットの場だが、本来有料という上映も無料になった。辻岡は「映画の最高峰の形というものを、自分自身で体験したい。それに世界のトップを極めた人たちの中に、小さい自主映画がどれくらい食い込んでいけるんだろうという、興味や挑戦の思いがあったんです」と現地入りを決めた理由を語る。

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 そんな本作は、劣等感を抱える報道局のディレクター(辻岡)が、片思いの女性を監禁し、非道徳的な拷問を加える姿を追ったバイオレンス作品だ。監督デビューから約10年、商業映画で実績も残してきた辻岡が、自分の表現を求め、「このままやっていても、作品は人の記憶に残らないかもしれない。それなら自分が心の底から作りたいものを、妥協せず作っていきたい」という思いで取り組んだ。

 制作資金は全て辻岡の貯金。想定していた資金はすぐ底を突き、お金が入っては撮影を再開する生活。企画から5年、現在34歳の辻岡の30代は、この作品のためにあったといっても過言ではない。「お金がなくなると心もすさむ」と笑う辻岡は「大切な人が離れていったりということもありましたね。それほど取りつかれていたような時期でした」と振り返る。

 そんな本作には、ヴィジュアリストの手塚眞、女優の愛染恭子、漫画家の御茶漬海苔、「帰ってきたウルトラマン」の団時朗など、多彩なキャストが友情出演。数年にわたる撮影に協力してくれた人々に「本当に感謝しかない」という辻岡は「自分の中の限界に付き合ってくれる人たちと、そのカットが最高のものになるように、突き詰めていける……気力ですね。それがこの作品では出せました」と満足げに語る。これをきっかけに、海外映画祭への展開も狙う予定だ。(編集部・入倉功一)

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