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中国ロケで日中の戦争を描いた奥原浩志監督、中国人スタッフからの励ましに感謝

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中泉英雄と奥原浩志監督
中泉英雄と奥原浩志監督

 日本と中国の「戦争と現在」という今日的テーマに日中のスタッフ&キャストが挑んだ映画『黒四角』が17日に公開初日を迎え、メガホンを取った奥原浩志監督と中泉英雄が、都内で行われた舞台あいさつに立った。日中関係の悪化を報じるニュースも多い中、奥原監督は「『わたしたちは悪いことをしているわけじゃない。ただ映画を撮っているだけだ』と中国のスタッフに励まされた」と撮影当時を振り返った。

映画『黒四角』フォトギャラリー

 北京近郊を舞台に、若い画家が1枚の真っ黒な絵の中から現れた謎の男(中泉)と出会ったことをきっかけに、戦争の記憶、そして中国人兄妹と日本兵の時空を越えた友情や恋愛がつづられていく本作。映画『タイムレスメロディ』で釜山国際映画祭グランプリを受賞した奥原監督は2008年、文化庁の在外研究制度で北京に渡り、以後、中国を拠点に活動している。本作は2012年に東京国際映画祭コンペティション部門に選出され、『黒い四角』のタイトルでワールドプレミア上映された。

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 「よく、中国での撮影は大変だったのでは? と聞かれますが、実際、誰も気にしていないですよ」という奥原監督は「(本作に登場する)北京の旧市街を銃を持ったたくさんの日本兵が歩くシーンの撮影も、何ということもなかった。そんなシーンを撮ったのは、僕が初めてらしいですが」と言う。同じく中国で活動し、映画『南京!南京!』などに出演している中泉は「『監督、さすがにこれはダメです。撮影が済んだら、すぐコートを着せた方がいい』と言ったんですが、監督は全く気にしていない」と笑った。

 「ハリウッドやパリでなく、なぜ中国を拠点に選んだのか?」という質問に、奥原監督は「古くから、日本に居づらくなった人が、中国や大陸にロマンを持って渡るというケースがある。そのメンタリティーは今も同じなのでは」と答えていた。今回の国内上映について「東京国際映画祭から時間がかかってしまったが、今日観ていただけて、やっと映画が完成した。中国での上映は、検閲があってまだ難しい状態。インディペンデントな映画は、お客さんが頼りです」と力を込めていた。(取材/岸田智)

映画『黒四角』は新宿・K’s cinemaで公開中 その後、全国順次公開予定

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