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世界が注目する現代美術家、村上隆のアート観点とは?

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村上隆
村上隆

 日本の現代美術家の村上隆が、自身のアート観点について語った。

村上隆監督映画『めめめのくらげ』場面写真

 ニューヨークで現代美術家として成功できたことについて「アジアの人間がニューヨークでアーティストとしてデビューするのが、90年代はすごく難しかったと思います。当時の僕は、いろいろな形で声が掛かったことに対して、期待以上のものを返し続けなければならず、オファーをえり好みする余裕もなかった。ギャラリーが作ってくれた機会を一生懸命やりました。その時は観客を意識するというより、目の前のチャンスをどう切り崩していくかを考えていましたね。どのプロジェクトも短い期間でやり、大人数で取りかかり、本来のアーティストらしからぬ部分をトレーニングして、会社経営するようなスキルで一歩一歩行いました」と明かした。

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 村上隆の背景にあるものは「アーティストとしてデビューするうえで、自分のアイデンティティーを探し、正直にやる必要があります。でも何が正直かと言うと、日本が戦争に負けたことや、アメリカの庇護のもとにわれわれが生かされているということです。庇護のもとに生きている人間とは何なのかということが、(僕の中で)一つ大きなテーマとしてありました。そういうアンバランスな世界で生きていると、(アニメ)キャラクターなどが大きな癒やしを与え、そんな癒やしの数々が世界に大きな影響を与えている。それが可愛いキャラクターだったり、ショッキングなアニメだったり、短時間楽しむゲームだったりする。今の日本の社会自体はあまり輝いていなくて、どちらかというとグレーで、その中から出た癒やしの芽みたいなものが、僕の背景にあります」と自己分析した。

 日本のアートはどう進展していくのか。「国が違い文化も違うと、隣の芝生みたいに、よその国の文化が良く見えたりする。日本人が日本に居ると、日本のアートはもう何もない、最低とか言いますけれど、近年西欧の偉いアーティストが日本に来て、最初に行くのが、福武さんが作ったベネッセのプロジェクトがある直島(瀬戸内海の島)です。さらに、東北の苗取りも世界中のビッグアーティストが参加し、日本の田舎に関わったりしていて、日本人には何これと思うことが、すごくユニークなプロジェクトとして世界から注目されている。だから悲観することもないのですが、日本人は(現状に)それで良いのかという疑問を持たないといけないと思います」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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