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『桐島』吉田監督、日本でファン急増中の鬼才ホン・サンス監督の天才ぶりを熱弁

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韓国の鬼才ホン・サンスの魅力を語り尽くした『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督
韓国の鬼才ホン・サンスの魅力を語り尽くした『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督

 『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が18日、シネマート新宿で行われた映画『ソニはご機嫌ななめ』『ヘウォンの恋愛日記』公開記念トークショーに出席し、韓国の鬼才ホン・サンス監督の魅力を語り尽くした。

映画『ソニはご機嫌ななめ』フォトギャラリー

 恋する男女を独自の視点と手法で描き続け、ヨーロッパでも絶大な人気を誇るホン・サンス監督は、一昨年の特集上映をきっかけに日本でもファンが急増。吉田監督もその特集上映ではまった一人だという。

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 『ソニはご機嫌ななめ』については「観るたびに新しい発見がある。こんなに何気なくてシンプルなのに、仕掛けや企みがたくさんある。どれだけ深く考えているのかと監督のことが怖くなる。その怖さが気持ちいいんですけどね」と絶賛。ちなみに、韓国で同作はホン監督作品史上最大のヒットとなっており、大喜びで飲み過ぎたホン監督が体調を崩して入院。加瀬亮主演の新作『自由が丘8丁目』の製作が若干遅れてしまったというエピソードも明かされた。

 その後も、ホン監督独特のズームの話、即興性を取り入れた演出スタイルなどについて語った吉田監督は「教科書的な演出じゃないから、学生さんがまねしようと思ったら大やけどします。こういうことができるのは世界でもこの人だけ。これは凡人には考えられないこと」と称賛の言葉を惜しまない。

 会話劇で恋愛模様を描き出すホン監督は、エリック・ロメールウディ・アレンなどの名前を出して評されることが多い。そんなホン監督流の撮影のスタイルは、朝起きてその日の台本を書き、現場で役者に30分くらいでそのセリフを覚えてもらい、リハーサルを重ねてから撮影に入るというものだというが、それには吉田監督も「メイキング映像もないので、どうやって撮影をしているのかが全く想像つかない。当日に準備した脚本なのに、どこにもほころびがないなんて魔法みたいですよね」と驚きを隠せない様子。

 それだけに日本人俳優として初めてホン監督の現場に入った加瀬からの証言が楽しみなようで、「『自由が丘8丁目』が公開されたときには、加瀬さんから『実はホン・サンス、全部脚本を事前に用意してましたよ』って言ってほしいな」とジョークを交えてコメントし、会場を沸かせた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ソニはご機嫌ななめ』『ヘウォンの恋愛日記』はシネマート新宿にて2作品同時公開中

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