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ウィレム・デフォーがパゾリーニ役!英語の交じったセリフに賛否両論

第71回ベネチア国際映画祭

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ウィレム・デフォーがパゾリーニ役!
ウィレム・デフォーがパゾリーニ役!

 現地時間4日、第71回ベネチア国際映画祭でコンペティション部門に出品されている映画『パゾリーニ(原題)/ Pasolini』の公式会見が行われ、監督のアベル・フェラーラ、主演のウィレム・デフォーリッカルド・スカマルチョらが出席した。

ウィレム・デフォーのいい笑顔!ベネチア映画祭フォトギャラリー

 イタリアが輩出した詩人にして哲学者、映画人でもあるピエル・パオロ・パゾリーニの最後の日々を映画化した本作。権力と闘い続けた偉大なイタリア人アーティストを扱った作品ということで、会見は立ち見であふれるほどの大盛況。監督やキャストが入ってくると大歓声が湧き起こり、主演のウィレムもうれしい驚きの表情を浮かべていた。

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 しかし、ウィレムが演じたことで、英語とイタリア語が入り交じったセリフとなった本作の評価は賛否分かれており、前日に行われたマスコミ向けの試写で大拍手というわけにはいかなかった。会見では「なぜ英語とイタリア語のミックスになったのか」という質問が飛ぶと、フェラーラ監督は「ウィレムはイタリア語も話せるが、やはり母国語は英語だ。自分の感情をきちんと表現してもらいたかったから、英語で話してもらったんだ」と説明。

 戦後の保守的な時代で同性愛者だと公言し、謎の死を遂げたパゾリーニだけあって、マスコミの関心は「パゾリーニの死の真相にどこまで迫ったのか?」ということ。記者から「彼を殺した犯人を知っていると言ったそうですが……」と問われたフェラーラ監督が「そんなこと一度も言ったことがないぞ。一体そんなウソを書いたのは誰なんだ? わたしはパゾリーニの情熱や作品、一度も後ろに下がったことのなかった、恐れを知らぬ男の生涯を描きたかったんだ」と語気を強める場面も見られた。

アドリアーナ・アスティ
パゾリーニとは実際に親しかったというアドリアーナ・アスティ

 一方、迫真の演技でパゾリーニを演じたウィレムは「この役柄を演じるにあたって、彼の話す言葉全てを自分自身の中に取り入れようと思った。映画の中のパゾリーニと、自分自身を切り離すことはせず、パゾリーニ自身に成り切るように役づくりをして臨んだ」と役柄への熱意を語った。

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 また、この日一段と大きな拍手を浴びたのはパゾリーニの母親を演じた、ベルナルド・ベルトルッチの元妻アドリアーナ・アスティだ。パゾリーニ監督作『アッカトーネ』などに出演したこともある彼女は本作への出演について「本当はとても迷いました。パゾリーニとは、とても親しかったので、彼を扱った映画に出演するにはわたしはあまりにも近すぎる存在でしたから。でもアベルの熱意を知り、出演を決意したんです。母親役には驚いたけれど」と話し、会場を沸かせていた。(編集部・森田真帆)

第71回ベネチア国際映画祭は現地時間9月6日まで開催

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