美少女なのに……激コワっ！注目のハリウッドネクストブレイク女優って？

　映画『記憶探偵と鍵のかかった少女』で、まるで天使と悪魔のような二つの顔を持つ美少女を巧みに演じた新星タイッサ・ファーミガが、ハリウッドネクストブレイク女優として注目を浴びている。

タイッサの多面的な表情が堪能できる映画『記憶探偵と鍵のかかった少女』フォトギャラリー

　透明感のある面長の美人顔が印象的な彼女。実は『ディパーテッド』などで、すでにハリウッドで活躍中の姉ヴェラ・ファーミガの21歳下の妹。演技に興味がなかった彼女の才能を見抜いたのが、まさにその姉である。ヴェラが監督・出演した映画『ハイヤー・グラウンド』で自分の少女時代役にタイッサを起用すると、業界が注目。テレビドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」で本格的女優デビューし、危険な隣人の少年に惹（ひ）かれていく思春期の少女という難しい役どころを新人とは思えぬ熱量で演じ切り、話題の人となった。

　また、タイッサは美人なだけでなく、演技力も姉譲り。『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソンなど、ネクストブレイク女優の発掘に定評のあるソフィア・コッポラ監督が早速目を付け、『ブリングリング』のメインキャストに抜てき。主演のエマ・ワトソンと肩を並べ、遜色ない存在感をアピールした。

　そして、映画『記憶探偵と鍵のかかった少女』では、探偵役の演技派俳優マーク・ストロングと対等に渡り合い、他人の記憶に入り込んで調査する記憶探偵を翻弄（ほんろう）する美少女という複雑な役に挑戦。多重人格者のようにさまざまな表情を使い分け、探偵だけでなく観る者も真実とウソの混乱へと導く難役を、いとも簡単に演じているようにすら見える。実際にはデビューしてまだ数年しかたっていないのだから、何とも末恐ろしい。

　20歳でアカデミー賞候補となり、すでに常連のジェニファー・ローレンスのように、若手といえども、主演女優には美しさだけでなく、ずば抜けた演技能力が必要とされる時代。ポスト・ジェニファー・ローレンスが求められる中、頭一つ抜け出した感のあるタイッサの今後から目が離せない。（文・高山亜紀）

映画『記憶探偵と鍵のかかった少女』は9月27日より新宿ピカデリーほか全国公開