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『思い出のマーニー』米林監督が語るジブリの作品作り

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中と外から見るジブリの作品作り - 米林宏昌監督
中と外から見るジブリの作品作り - 米林宏昌監督

 映画『思い出のマーニー』で自身2度目の監督を務めた米林宏昌が、本作で最も苦心したという「冒頭の15分」や映画監督としてアニメーションを作る心構えについて振り返った。

映画『思い出のマーニー』場面写真

 同作のヒロイン・杏奈は、「見えない輪の中にいる内側の人間」と「そこに入れない外側の人間」が存在すると考える多感な少女。あるシーンで感情を爆発させるまで、自分の中に閉じこもる「複雑な」彼女を描くのにはとても骨が折れたという。その彼女を「最初の15分」で表現するために米林監督は杏奈が絵を描くシーンを思い付いたというが、それにたどり着くまでに作画監督の安藤雅司西村義明プロデューサーらと何度も会議を重ねたという。実際冒頭5分のシーンの脚本だけで「何か月も」要したとのこと。

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 むすっとした表情が印象的な杏奈と対照的に、マーニーや彩香といったキャラクターたちはとても明るい。米林監督は「ちょっと原作よりも極端にしました。それぐらいの方がアニメーションに合う」と同作に登場するキャラクターたちに触れ、アニメーション制作ではコントラストを付けることが重要だと話す。「個性を強めてあげないと存在感は出にくい。風景もより美しくしよう、より怖くしようとコントラストを付けていくことが必要なんじゃないかと思いますよね」。

 またスタジオジブリについて、「それまで作ってきた作品とは毎回違うものを作ってきているんですよね。70歳を過ぎた監督も。そこがすごいなと思いますし、それこそジブリがここまで長いこと作ってこられたという実績につながっていると思います」と述べる米林監督。その部分は自身のアニメーション制作の根幹にも息づいているようで、今後新作を作る際には「似たようなものは作りたくないと思っていますね。新しい表現で何ができるかということを考えながら作っていきたい」ときっぱり。また宮崎駿監督が長編作品からの引退を発表し、鈴木敏夫プロデューサーが制作部門を一度解体する方針を明らかにしたことで世間を驚かせたジブリだが、米林監督は「ジブリがどうなるかというのは宮崎さんと鈴木さん次第。僕が考えるべきは観客の皆さんのこと」と語った。

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 今作で『借りぐらしのアリエッティ』に続き、米林監督は原作小説の映画化作品を手掛けている。今後のオリジナル脚本の可能性については「オリジナルはなかなか難しいですよ。でもオリジナルのほうがいいんですよ。面白いものを描けるかどうかという部分だと思います。できれば作ってみたいですけどね」と真っすぐなまなざしを見せていた。(編集部・井本早紀)

映画『思い出のマーニー』ブルーレイ&DVDは3月18日発売 発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

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