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巨匠マイク・リー、イギリス最高峰の画家ターナーを描くことにも恐れはなし

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インタビューに応じたマイク・リー監督
インタビューに応じたマイク・リー監督 - Photo by Chris McAndrew

 今年2月の英国アカデミー賞でフェローシップを受賞したイギリス映画界の重鎮マイク・リー監督が映画『ターナー、光に愛を求めて』の公開を前にインタビューに応じ、当時も今もイギリス最高峰の画家とされるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの人生後半を描いた同作について語った。主演のティモシー・スポールは巨匠かつ変人のターナーに成り切り、第67回カンヌ国際映画祭で男優賞を獲得している。

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 リー監督は、実在の人物を描くにあたっての恐れはないという。「実在の人物を描くのは『トプシー・ターヴィー』でもやりましたし。いずれにせよ、映画で人物を作ることを長らくやってきました。現代に生きる市井の人々でしたが、人間ということでは変わりありませんよ」とこれまでの映画と同じアプローチでターナーを作り上げた。

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 さまざまな面を持つ複雑な人物として描かれたターナーをはじめ、本作には19世紀の興味深いキャラクターがあふれている。中でも美術評論家ジョン・ラスキンの解釈は大胆とも思えるもので、自信過剰の鼻持ちならない若者というほとんどコミカルなキャラクターになっている。

 「『ラスキンは19世紀の偉大な評論家だ!』とひどく怒っている人もいましたね」と批判は承知のリー監督だが、リサーチに基づいていることを強調する。「ラスキンは一人っ子で、とても大事にされ、同年代の友達はいなかった。大学に行くようになると母親が彼の隣に部屋をとって面倒をみたほどです。そして何事にも意見する若者でした」。

 映画評論家を皮肉ったキャラクターのようでもあるが、「よくそう言われますが、映画を作っているときは全く考えませんでしたよ。皆さんをがっかりさせてしまいますが」と笑い、「幸いにも、ここでは実在の人物をどのように描いても、投獄されたり、殺されたりすることもないですし」とジョーク交じりに付け加えた。なお、本作製作のきっかけともなった『トプシー・ターヴィー』が日本では劇場公開されていないことに、リー監督は失望を隠さなかった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

映画『ターナー、光に愛を求めて』は6月20日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

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