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『バードマン』、未公開シーンが存在しない理由とは

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事前の緻密なシミュレーションに余念がない、エマニュエル・ルベツキ撮影監督(左)、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督(中央)、マイケル・キートン(右)
事前の緻密なシミュレーションに余念がない、エマニュエル・ルベツキ撮影監督(左)、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督(中央)、マイケル・キートン(右) - (C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のブルーレイ&DVDに、特典映像として近年当たり前になっている未公開シーンが存在しないことが明らかになった。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』作品情報

 その理由はズバリ、余計なシーンを撮影していないため。そもそも、本作は映画全体を1カットのように見せるために長回し撮影をフル活用している。ゆえに後から編集でシーンの入れ替えなどの修正ができないため、俳優の演技からカメラワークまで徹底的に計算されているのだ。

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 ブルーレイ特典映像では、そんな撮影の裏側を見ることができる。本番の数週間前から行われたロサンゼルスのスタジオでのリハーサルでは、実物大の仮セットを用いて本番さながらの稽古を実施。さらにニューヨークのロケ現場でも役者やスタッフのアイデアを取り入れつつ、セットの寸法や形からカット割り、各俳優の立ち位置から動く方向に至るまで事前にこと細かく決め、何一つミスがないように撮影している様子がうかがえる。

 もともとリハーサルを重要視していると語るアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督。何度もリハーサルを繰り返すことによって、セリフが無意識に出るようになり、おのずと演技も自然に見えるようになるからだという。それはまさに、自転車のこぎ方を体で覚えるのと同じメカニズムなのだそうだ。

 とはいえ、長回しに長いセリフという二重のハンディは俳優にとって相当なプレッシャーだったらしく、主演のマイケル・キートンいわく「わたしたち俳優はずっと緊張しっぱなしだった」とのこと。何しろ、一つのミスで長回しの全てがムダになり、大勢のスタッフにも迷惑を掛けてしまう。エマ・ストーンに至っては、失敗してはいけないという強迫観念のあまり「目が痙攣(けいれん)してしまった」らしい。

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 そんな試練の連続を振り返ってナオミ・ワッツも「過去最高の難度だった」と告白し、エドワード・ノートンも「命綱なしの綱渡りのようだ」と述べている本作。イニャリトゥ監督の指揮のもと、スタッフとキャストが一丸となって限りなく困難な撮影をものにしたからこそ、アカデミー賞で作品賞はじめ4部門制覇という偉業を成し遂げることができたのだといえよう。(文・なかざわひでゆき)

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は、ブルーレイ&DVD発売中 販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社

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