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巨額詐欺事件「法の華」元教祖、本人役で映画主演デビュー

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本人役で主演を務める福永法源
本人役で主演を務める福永法源

 宗教団体「法の華三法行」の元教祖で、信者に対する巨額詐欺事件で罪に問われ、実刑判決を受けた福永法源の人生を描く映画『塀の中の神様』の製作発表会見が18日、東映東京撮影所で行われ、本人役で出演の福永法源、メガホンを取る高橋伴明監督らが登壇。厳しい質問が飛ぶ中、福永は「お話をもらって驚いたが、喜んで出演させていただきたいと申し上げた」と意欲をのぞかせた。

【写真】福永法源が本人役…撮影風景

 福永氏は2008年に懲役12年の実刑が確定、収監されたが、2000年の逮捕後から判決までの未決勾留日数が差し引かれるなどして、昨年出所。福永氏は出演することについて「『法の華』のPRならご免こうむると思ったが、『世の中に大詐欺師といわれているあなたが、どんな人物か描きたい、あなたのままでいい』ということだったので、それならお願いしますと。演技とは何か全くわからず、緊張で頭の中は真っ白」だったという。

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 同席した藤原慎二プロデューサーは映画化決定までの経緯を、「わたしが事件に関心を持ち、15年前に調べ始めたのが最初。語弊があるが、福永氏の波乱万丈の人生は面白いと思った。去年、福永氏が出所したと聞き、お話させていただいた。製作資金は映画ファンドを利用し、資金は少ないが、高橋監督のためならと、たくさんの俳優が集まってくれた」と説明する。

 一方の高橋監督は、「7月に話をもらい大急ぎで脚本を書き上げた。何万という人に、付いていこうと思わせた福永氏のパワーはどこから来たのかを考えて、彼のお母さんの存在の大きさを知った。本作は母子テーマになるかもしれない。人生を描くドラマと、実際の事件に関わった弁護士への取材など、ドキュメンタリーが組み合わさった構成になるはず。センセーショナルな題材だが、観た人が判断できる作品にしたい」と構想を語った。

 ついで法源の母親役の女優・島田陽子も、「伴明監督のシナリオは、事実にのっとって、厳しくてフェアで、簡単に判断できない社会や国家の複雑さ、人生の奇妙さを描いていて素晴らしい。昔からずっと監督を尊敬していたんですが、今回が初のお仕事で、幸せな巡り合わせだと思います」と笑顔を見せた。この日の会見には、共演の松田優中西良太大鶴義丹鈴木祐真荒井久美子も出席。ほかに、奥田瑛二哀川翔不破万作らが出演する。(取材・文:岸田智)

映画『塀の中の神様』は、2016年4月公開予定

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