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スピルバーグ監督が語る、撮影現場での醍醐味とは?

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スティーヴン・スピルバーグ監督
スティーヴン・スピルバーグ監督 - (c) Armando Gallo / Corbis / amanaimages

 スティーヴン・スピルバーグ監督が、約11年ぶりにトム・ハンクスとタッグを組んだ話題作で、オスカーへの期待が高まっている『ブリッジ・オブ・スパイ』。撮影の裏話やジョエル&イーサン・コーエン兄弟との脚本作りをスピルバーグが語った。

『ブリッジ・オブ・スパイ』予告編

 本作は冷戦時代を舞台に、保険の弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム)が、ソ連のスパイであるアドルフ・アベル(マーク・ライランス)と、ソ連で逮捕されたU-2偵察機のアメリカ人パイロットの交換を交渉するという実話に基づいたスリラーだ。冷戦の真っただ中に子供時代を送ったスピルバーグは題材に惹かれ、すぐに監督することを決めたという。

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 ソ連のスパイを弁護して、世間から白い目で見られても、持ち前の正義感で決して妥協しない家族思いの普通の男ドノヴァン。こういう役をやらせたら、トムの右に出るものはいない。「トムは長年の友人だけど、今作で僕は彼の選択に、そして彼は僕の選択に驚かされた。これまで一緒にやった映画の中で最高の経験だったよ」とスピルバーグはトムの入魂の演技を絶賛する。また、ドノヴァンが不思議な絆を持つことになるアベルを演じたマークも秀逸で、二人のやりとりは本作の大きな見どころになっている。

 また、映画の前半、アベルの評決が出た後、ドノヴァン夫妻がカメラマンに囲まれ、フラッシュバルブが床に落ちて粉々になるシーンがあるが、そのシーンはスピルバーグが現場で思いついたそうだ。「僕はいつも多くのことを撮影現場で、その日に思いつく。それが映画作りの楽しみだよ。セットを使えるし、役者たちがやっていることを取り入れることもできる。それらが僕のアイデアを刺激してくれるんだ。アイデアがストーリーの中で使えると思う時には試してみる。毎日発見がある。今作では、U-2の墜落シーン以外、ストーリーボードは一切描かなかった。撮影を進めながら作っていったんだよ」と撮影の醍醐味を語る。

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 撮影期間は3か月と大作にしては短めで、半分はニューヨーク、半分はポーランドやドイツで撮影されたそう。「寒いのは好きじゃないから、グリーニッケ橋での4日間の撮影は悲惨だった。本物の橋を使って、夕暮れから夜明けまで撮影したんだけど、ものすごく寒かった。一番寒かった夜に、(ドイツの)メルケル首相が訪ねて来たけど、彼女はキャストやスタッフのように暖かい格好をしていなかった。でもとても楽しんでいたよ」。

 今、振り返ると、極寒の中での撮影よりも、「会話が多い映画だから、法律と登場人物のバランスを取るのがもっとも大変だった」とスピルバーグは明かす。「僕は、判例法や憲法についての映画にしたくなかった。必死で正しいことをしようとする二人の男についての作品にしたかったんだ。そういうストーリーを作るのに、どれだけの重点をキャラクターに、どれだけを判例に与えるべきかを考えるのが、コーエン兄弟と僕が直面した最大のチャレンジだったよ」。そんなコーエン兄弟が、イギリスの劇作家マット・シャルマンが入念なリサーチをして書き上げた第1稿に加えたものはウィットとユーモア、そしてたくさんの皮肉だという。「すべてのキャラクターを深く掘り下げ、とても説得力あるものにしてくれたよ」と彼らの仕事を称賛していた。(取材・文:吉川優子)

映画『ブリッジ・オブ・スパイ』は1月8日より全国公開

スティーヴン・スピルバーグ×トム・ハンクス!映画『ブリッジ・オブ・スパイ』予告編 » 動画の詳細
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