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日本全国の映画館を撮影した写真展が開催 新宿ミラノ座、銀座シネパトスの座席も展示

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昔の「映画館」の記憶を呼び覚ます展覧会風景
昔の「映画館」の記憶を呼び覚ます展覧会風景

 日本全国の映画館の写真およそ100点を中心に展示を行う展覧会「写真展 映画館 映写技師/写真家 中馬聰の仕事」が12日、東京国立近代美術館フィルムセンターで初日を迎え、映画文化の歴史を感じる写真の数々や、閉館した映画館の座席などがお披露目された。

【写真】貴重な映画文化の数々、閉館された映画館の看板や座席

 関西地方の映画館で映写技師を務め、写真家としても活動する中馬が、北海道のシネマアイリス、大黒座といった映画館から、沖縄の首里劇場に至るまで、日本全国を訪ね歩き、撮影を敢行した写真集「映画館」。2015年発表の同写真集は、建造物としての外観はもちろんのこと、映写室や売店、ロビーなど、デジタル化によって忘れられつつある“映画館”の記憶を呼び覚ますようなモノクロームの写真が多数収録され、静かな話題を集めた。

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 本展覧会では、同写真集に収録された全国55館、約80点の映画館写真をメインに、同写真集に未収録のショットも展示されており、他にも、すでに閉館してしまった映画館の座席、看板、映写室関連資料、さらに東京国立近代美術館フィルムセンターが所蔵する戦前期の映画館写真なども公開されている。

 この日は、本展覧会を企画したフィルムセンターの岡田秀則主任研究員による説明会を実施。中馬の写真について「どこか特定のところを見てほしいという撮り方をしていなくて、全体にピントを合わせ、全体を見せるような表現が特色。長時間露光で撮影することで画質は落ちるが、場所の持っている空気感、経てきた時間などが強調される。しかしそれは決して懐古的なものではなく、まるで映画館と対話しているような写真となっている」と解説した。

 また、会場内には新宿ミラノ座のペアシートや、銀座シネパトスの座席、シアターN渋谷の自立看板など、映画ファンに惜しまれながらも閉館を余儀なくされた映画館なじみの品の数々も展示。今回の展示を通じて、日本から失われたものは何なのか、そして今、われわれがまさに失おうとしているものは何なのかを改めて問いかける内容となっている。(取材・文:壬生智裕)

「写真展 映画館 映写技師/写真家 中馬聰の仕事」は7月10日まで東京国立近代美術館フィルムセンター展示室にて開催中

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