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三浦友和、モンスターペアレントの傾向を分析

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家族を理想の名のもと支配するモンスター的な父親を熱演した三浦友和
家族を理想の名のもと支配するモンスター的な父親を熱演した三浦友和

 無差別殺傷事件がモチーフの同名舞台を映画化した『葛城事件』で、加害者の父親で主人公・葛城清役の三浦友和が、自らの演じた家庭崩壊を招くモンスター的な父親像について語った。

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 本作は、父親による家族への抑圧的な振る舞いが、対人関係に悩む長男・保(新井浩文)、精神を病む妻・伸子(南果歩)、そして無差別殺傷事件を起こす次男・稔(若葉竜也)を生むこととなる一家の姿を、死刑制度への反対から稔と獄中結婚する女性・順子(田中麗奈)の存在も絡めて描いた衝撃的な物語。監督デビューを果たした前作『その夜の侍』でも、自身の同名戯曲を映画化して高い評価を得た赤堀雅秋が監督を務めている。

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 三浦は、自分の理想を一方的に家族に求める葛城清という役を、「妊婦の前でタバコを吸うとか、モラルがなくてズレている。たまにいますよね、同席するだけで飯がまずくなるし、楽しくない人。もしかすると彼はモンスターペアレントで、例えばそのことで息子たちが後ろ指をさされて学校で居場所をなくしていたとしても、それが理解できないし、正しいことをしているつもりだから自分をモンスターだと思っていない」と分析。

 「脚本がとにかく面白かった」ことで出演を決めたが、自身とかけ離れたこの役にひかれた決め手はどんなことだったのか。「傍若無人のどうしようもない親父に見えるけど、基本的には家族を愛しているし、滑稽なほど弱い人。その弱さは誰でも持っているものだし、父親として気持ちがわからないではない。家族にものすごく幸せになってほしいと願っているけど、それは自分にとっての理想でしかなかったという。そこが家族崩壊を招く一番大きな理由だと思うんですよね。家族を顧みず好き勝手にやっている役なら、魅力を感じなかったかもしれません」。

 ただ、かつては珍しくなかった厳格な父親像ともいえるだけに、家庭崩壊は清だけの責任ともいえない気もするが、三浦は「僕は100%清に責任があると思う」と断言。「マイホームを新築したときの場面がありますが、そのころからすべての歯車が狂い始めたのかなと。夢だったマイホームを持ち、次は子供をこう育てたいという勘違いの理想が出てきたときに、それを押し付けてズレていく。母親が食事を作らなくなる状況にしたのも清でしょう。朝から宅配ピザを出されて平気な親父ですから」と自らの演じた父親の非を認める。

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 全編にわたって息をのむような緊張感のある作品で、特に家族4人が集うシーンには、自分の家族に置き換えて観てしまう瞬間があり身につまされる。しかし、撮影現場では意外にも笑いが起きていたそうで、「例えば、次男を怒るべき状況なのに妻をひっぱたくような極端な役なので、『何この親父!?』みたいな空気になって(笑)。中華料理屋でクレームをつけるシーンも、実は吹き出す寸前でOKになっていたり。だから、つらい内容の作品だけど、実は皆が滑稽な行動をしていることも認識していたので、楽しみながら演じていたんです」とブラックユーモアとしての楽しみ方も窺わせた。(取材・文:天本伸一郎)

映画『葛城事件』は6月18日より新宿バルト9ほか全国公開

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