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黒澤明を見出したベネチア映画祭『七人の侍』新リメイク版で閉幕!

第73回ベネチア国際映画祭

ベネチアにやってきたフークア監督&クリス&デンゼル
ベネチアにやってきたフークア監督&クリス&デンゼル - (c) la Biennale di Venezia - Foto ASAC

 現地時間10日、「世界のクロサワ」こと黒澤明監督を見出したベネチア国際映画祭は、黒澤監督の傑作『七人の侍』と同作をリメイクした『荒野の七人』を原案にした映画『マグニフィセント・セブン』の公式上映をもって、第73回の式を閉幕した。同日行われた会見では、メガホンを取ったアントワーン・フークア監督らが、この地で上映されることを喜ぶ一幕もあった。

【写真】デンゼル&クリプラ、馬と一緒にレッドカーペット!

 本作は、『トレーニング デイ』『イコライザー』のフークア監督とデンゼル・ワシントンが再タッグを組み、クリス・プラットイーサン・ホークイ・ビョンホンら豪華キャストが、冷酷非道な悪人に支配された町の住人から彼を倒してほしいと雇われたアウトロー7人にふんし、大奮闘するさまを活写する。

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 クロージング上映を見届けるため、ベネチア入りしたのはフークア監督、デンゼル、クリスの3人。同日行われた会見では、「クロサワの『七人の侍』が一番のインスピレーションだった」と言い切るフークア監督。

 また、マカロニ・ウェスタンブームを巻き起こしたイタリアの映画監督セルジオ・レオーネからの影響について問われると、レオーネ監督を称えつつも、「セルジオ・レオーネはクロサワの映画から学んだんだ。実際、彼はクロサワの作品をリメイクした(『用心棒』を西部劇風にした『荒野の用心棒』)」と最終的には黒澤監督のトークに落ち着く。

 さらに“現代版”のリメイクということについて、「現代的にしようとしたわけではなく、クロサワの『七人の侍』が現代にも通じる物語だったということだ。敵やテロリズム、いじめ。なんと呼ぼうと同じものだ。相手の弱みにつけ込むやつがいる。だからそいつらをこらしめることができる強いやつが必要なんだ。それこそがサムライ」と心底から『七人の侍』を敬愛していることをうかがわせた。

 そんな黒澤監督は、本映画祭にて『羅生門』で金獅子賞を、『七人の侍』で銀獅子賞を獲得し、一躍「世界のクロサワ」と呼ばれるまでの巨匠となった。記者会見の司会者も、フークア監督の黒澤監督への思いに共鳴したようで、「クロサワの『七人の侍』は1954年にこの映画祭で受賞しているんです。なので、私たちとしてもこの作品をここベネチアで上映できるのはとてもうれしいんです」と思わず喜んだ。

 なお、本映画祭では本作の上映のほかに、映像・音声が公開時のクオリティーとなって復元された『七人の侍』フル4Kデジタルリマスター版が上映。実に62年ぶりの凱旋上映は、満席となる賑わいをみせた。同デジタルリマスター版は、日本でも10月8日より「午前十時の映画祭7」内にて2週間入れ替え上映される予定だ。(編集部・石神恵美子)

映画『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日より公開

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