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元髭男爵が映画監督に転身した理由

『僕らのごはんは明日で待ってる』胸キュンの体育祭のシーンを演出する市井監督
『僕らのごはんは明日で待ってる』胸キュンの体育祭のシーンを演出する市井監督 - (C) 2017「僕らのごはんは明日で待ってる」製作委員会

 星野源主演の『箱入り息子の恋』(2013)で注目を浴び、Hey! Say! JUMP 中島裕翔主演の『僕らのごはんは明日で待ってる』(2017年1月7日公開)など新作が相次ぐ日本映画界の新鋭・市井昌秀監督が、お笑い芸人から映画監督に転身した理由について明かした。「僕自身が感動したい、泣きたいと思ったとき、最も“映画”で感動することが多かったことが大きかった」と当時を振り返っている。

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 『箱入り息子の恋』『僕らのごはんは明日で待ってる』は、どちらもラブストーリーでありながら、主人公たちが抱える痛みがリアルに描かれることで、幅広い世代の心を打つ人間ドラマとなっている。「そもそもラブストーリーという感覚で撮っていないところがあります。2人の人間の痛みや葛藤を描いていきたいという想いがまずある。そこをしっかり見せるためにも“ユーモア”という自分なりの武器を使っているのだと思います」と市井監督は語る。

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 映画を撮り始めてから13年。漫才グループ・髭男爵の元メンバーという異色の経歴を持つ市井監督は、映画を撮ろうと思ったきっかけについて「最初は役者として自分が出演したいという動機もあって、映画の脚本を書き出したんですけど……」と笑いながら振り返る。結果、彼自身は出演していないものの「物語を作るということの面白さ」に開眼。1本目を撮った後、「どこかで自分をわかってほしい、何かを伝えたいという気持ちが、映画という手段であれば、すごくかなうんだなぁと実感しました」。

 お笑い芸人時代も、物語性のあるコントは書いていた。しかし「コントをやっているときに、喜怒哀楽という人間のさまざまな感情が存在する中で、観客に笑ってもらうだけでは物足りなくなってきた」ことも、彼が映画監督に転身した理由の一つだ。また、小説、舞台、ドラマなど、人間の感情を語る方法はいくつもあるが、「僕自身が感動したい、泣きたいと思ったとき、最も“映画”で感動することが多かったというのが大きいです」。

 市井監督に好きな映画監督を聞いてみると「日本人でいえば、岡本喜八監督、今村昌平監督。ユーモアがありつつ、すごく心を揺さぶられるという点において。あと、増村保造監督も好きです。外国映画ではチャップリン」という答えが返ってきた。

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 映画監督になってからは「韓国映画に影響を受けています。イ・チャンドン監督の『オアシス』(2002)が好きです。また、テイストは全然違いますけど、キム・ギドク監督も。こびないというか、嘘がないところがいい」とのこと。『僕らの~』の後は、高校を舞台にした青春映画『ハルチカ』が待機中。ジャンルの枠を超えて“人間の痛み”をリアルに、丁寧に描き続ける市井監督。これからも数々の名作が生み出されていくに違いない。(取材・文:石塚圭子)

映画『僕らのごはんは明日で待ってる』は1月7日より全国公開

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