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何も起きないドキュメンタリーがあってもいい…「ターシャ・テューダー」「ベニシアさん」のヒットメイカーが語る

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ターシャさんの美しい庭にうっとり - 映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』より
ターシャさんの美しい庭にうっとり - 映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』より - Photo by Richard W. Brown

 バーモントの山奥で自然に寄り添った暮らしをしながら創作活動を続けた絵本作家ターシャ・テューダーさんを追ったドキュメンタリー番組や、京都・大原の古民家に住むベニシアさんの暮らしをつづった「猫のしっぽ カエルの手」シリーズの鈴木ゆかりプロデューサーが取材に応じ、NHKの地上波・BSで再放送が繰り返される人気番組がどのように生まれたのかを語った。

映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』予告編

 ドキュメンタリーを多く制作してきたテレコムスタッフに入社した鈴木にとって最初の“ライフスタイルドキュメント”となったのが、「はじめはフツーの主婦でした~料理研究家の幸福のレシピ」だ。特に何かが起こるわけでもないが、まだ“料理研究家”という肩書が確立していなかった時代の栗原はるみさんたちの暮らしを追ったこの番組は大きな反響を呼んだ。

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 「わたしが一本立ちする頃はドキュメンタリーというと、ものすごいどん底から這い上がるとか、人生の悲哀を感じさせるものとかが多かったんです。でも、家庭料理を楽しくおいしく作るということを仕事にした方たちというのは、わたしにはとても魅力的に思えて。暮らしの中のドキュメンタリーというのはそんなに悲惨なこととかはないのですが、そんなドキュメンタリーがあってもいいんじゃないかなと、その時に思いました」。

鈴木ゆかりプロデューサー
鈴木ゆかりプロデューサー

 「ターシャ」シリーズの企画のきっかけは、海外の庭の取材中、彼女の庭の写真集を持っているガーデーナーがとても多く、「ターシャは庭を作る人たちにここまで憧れられている存在なのか」と気付いたことだという。手紙を書き、実際にあいさつに行ってターシャさんの信頼を勝ち得、「踏み込みすぎない」「過剰な演出はしない」というモットーの下、これまでほとんどカメラが入ることが許されなかった彼女の庭や手作りの家、そしてナチュラルな生き方を映し出すことに成功した。初回の放送はその年のNHKで紅白歌合戦に次いで再放送の希望などの問い合わせが多く、シリーズ化され、今回完全版として映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』(現在公開中)も公開されることになった。

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 何がここまで視聴者に響いたのか。「結構、若い方からの反響も大きかったりするんですよね。ある時まで“家の中のことをやったりするのは特別なことじゃない”と思われていたと思うのですが、あそこまで徹底して自分の暮らしを自分の手で作り出すというのはすごくクリエイティブな生き方ですし、憧れの対象になるのかなと思いました」。ベニシアさんもターシャさんの番組のファンで、その縁で「猫のしっぽ カエルの手」シリーズが作られることになった。

 「ベニシアもそうなのですが、『こんな生き方をした女性がこの世の中に居たよ』みたいな、さらっとした感じなのですが、そういうことを伝えていける番組ができたらなと。その代表的なものが『ターシャ』だったということかなと思っています」と鈴木。「たぶん歴史の教科書には載らないんだけれど、でもわたしたちにとってはすごく大事な人たちなんじゃないかなと思うんです」とライフスタイルドキュメントを手掛ける理由を明かしていた。(編集部・市川遥)

映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』は公開中

映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』予告編 » 動画の詳細
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