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“母のソース”でつかんだアメリカンドリーム!半生が舞台化

ヨシダソース創業者・吉田潤喜
ヨシダソース創業者・吉田潤喜

 裸一貫でアメリカに渡ってソースの製造・販売で財をなし、2005年にNewsweek誌(日本版)「世界で最も尊敬される日本人 100」の1人に選ばれたことのあるヨシダソース創業者・吉田潤喜のサクセスストーリーを、お笑い芸人のなだぎ武主演でミュージカル化したのが今夏に東京とロサンゼルスで上演される「ソーォス!」だ。度々苦難に遭いながらも持ち前の明るさと不屈の精神でアメリカンドリームをつかんだ吉田が、ソースの誕生秘話や舞台に寄せる思いを語った。

 「僕の講演を聞き、本を読んだプロデューサーで脚本と作曲も担当しているまきりかさんが、このストーリーを皆さんに伝えたいと(アメリカの)オレゴンまで飛んできた。あまりにも真剣で、その情熱は本物だと思いました。光栄ですよ」と自身の半生の舞台化の経緯と感慨を語る吉田。自分はプロではないからと製作者側を信頼して、舞台の中身には一切何も言わなかったという。「涙と笑いと喜びと感動のミュージカルにしてほしいということだけ。正式な企画書の依然に承諾しました。熱意が伝わったからね」と笑顔でプロジェクトのスタート時について振り返る。

 その「涙と笑いと喜びと感動」の物語の主人公・吉田は1949年12月に7人兄弟の末っ子として京都で生まれ、3歳のときに事故で右目を失明した。「右目のことでいじめられ、そこから『なにくそー、負けないぞー』と自分の人生が出発しました」と述懐する。そして19歳のときに単身渡米。「成功するまで帰らない」と誓って様々なアルバイトをしたが、強制送還の危険、生活苦など次々と壁が立ちはだかった。それでも大学入学後に一目惚れしたリンダさんと結婚。娘3人が誕生して、多くの理解者に励まされながら空手道場の経営などを行った。

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 しかし、1980年に不況で道場の経営が悪化して再び生活苦に陥った。生徒たちからのクリスマスプレゼントのお返しにも困るほどだったが、その「お返し」として思いついたのが、母親が日本で営んでいた焼き肉店のソースだった。醤油・みりん・砂糖を8時間煮込んだ特製ソース。これを作って瓶詰めし、リンダさんがリボンをかけて生徒にプレゼントした。ここに「元祖ヨシダソース」が生まれ、82年にヨシダフーズ・プロダクツが誕生した。

画像テキスト
なだぎ武と吉田

 吉田はその後も紆余曲折を経ながら常に明るさを失わず、「目立ってナンボの精神」や「絶対に成功して恩を受けた人たちにお返しする」という思いでアメリカで活躍を続けている。そんな吉田をなだぎが演じる舞台には、ヨシダソース躍進のきっかけをつくったコストコ社長ジム・セネガルとしてモト冬樹、航空貨物事業を支援したナイキ社長フィル・ナイトとして渡辺大輔、そして潤喜の母・房代として杜けあきが出演している。吉田はミュージカルについて「夢とは何かと悩んでいる人も、この作品を観れば勇気や元気が出る。観たあとに心がみなぎって帰ってもらえれば」と願いを込めていた。(取材・文:岩崎郁子)

ミュージカル「ソーォス!」は7月6日~13日に渋谷のスペース・ゼロで、7月29日にロサンゼルスのエルカミノカレッジホールで上演

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