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今敏、宮崎駿の影響を受けた!『新感染』監督が語る韓国アニメーション業界の実状

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もともとはアニメーション監督として活躍していたヨン・サンホ監督。『新感染』の企画も前日譚(たん)をつづった長編アニメ『ソウル・ステーション/パンデミック』からはじまった。(なお、それぞれ別の作品として成立しているので『新感染』は『ソウル・ステーション』を未見でも楽しめる内容だ)
もともとはアニメーション監督として活躍していたヨン・サンホ監督。『新感染』の企画も前日譚(たん)をつづった長編アニメ『ソウル・ステーション/パンデミック』からはじまった。(なお、それぞれ別の作品として成立しているので『新感染』は『ソウル・ステーション』を未見でも楽しめる内容だ)

 昨年のカンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で上映され絶賛を浴びた映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(9月1日全国公開)を手掛けたヨン・サンホ監督が来日し、影響をうけた日本の監督や韓国のアニメーション業界の実状を明かした。

実写初挑戦とは思えない!『新感染』場面写真

 『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、高速鉄道の乗客が謎のウイルスに感染して次々と狂暴化していくなかで、幼い娘を連れたファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)ら乗客たちが決死のサバイバルを繰り広げるさまを描いた作品。本作で実写映画に初挑戦したヨン・サンホ監督はもともとアニメーション監督として活躍しており、『新感染』の企画も前日譚(たん)をつづった長編アニメ『ソウル・ステーション/パンデミック』(9月30日日本公開)から出発している。

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 取材中も花沢健吾の漫画「アイアムアヒーロー」の印象的だった描写を詳細に語るなど、「日本の映画や監督が好きで、日本のアニメーションも大好きですし、日本の漫画もよく見ています」というヨン・サンホ監督。好きな監督には中島哲也監督や今敏監督の名前をあげたほか、子どもの頃には押井守監督、大友克洋監督、宮崎駿監督の影響を受けたという。「他にも、アニメーション監督の湯浅政明監督の作品は最近、興味深く観ています。今でも、それらの監督のファンとして作品を待っています。漫画家では、古谷実さんの作品をいつも楽しみに待っています」。

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『新感染 ファイナル・エクスプレス』より。同作を観た花沢健吾は「ずっと観たかった『釜山行き』がタイトル変更していて見逃がすとこだった!『アイアムヒーロー』と共にアジアゾンビ映画の起爆剤になって欲しい。閉鎖空間での極限の死闘、たっぷり堪能しました! 」とコメント。 - (C) 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

 日本では昨年の『君の名は。』の大ヒットをはじめ、興行収入ランキング上位にランクインするなどアニメーション映画は人気を集めているが、監督の目に韓国のアニメーション業界はどう映っているのだろうか。「韓国のアニメーション産業は本当に小さいんです。劇場版アニメの監督たちの名前を簡単に数えられるくらい数も少ないし、アニメーションに投資することも本当になかなかないことなんです」。

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 そんな厳しい環境の中、監督の初長編アニメ『豚の王』を見た配給会社NEWが「全作品に出資する」と声をかけ、さらに実写映画の依頼をしたことで『新感染』が誕生することとなった。「『新感染』は特別なアクションが多い映画だったので、アニメーション監督の経験を活かして、それぞれのシーンを自由に想像し、それを具現化するために他のチームと話し合うプロセスが楽しかったです。今回の撮影の楽しみでしたね」と監督が語るように、アニメーション監督の経験から生み出された度肝を抜くアクションシーンは本作の見どころとなっている。

 「本作を撮り終えてみて、またアニメーションをあえて撮るべきなのかと考えてしまうほど、韓国でアニメーションを興行的なベースにのせるというのは難しいんです。だから韓国でヒットしたアニメーションとなると、ハリウッドのアニメーションだったり宮崎駿監督の作品だったり。最近だと新海誠監督の『君の名は。』がヒットしましたけれど、本当に市場的にはとても小さく、韓国でアニメーションを作るのは本当に困難が伴います」と実写監督を経験したことで、改めて韓国の映画界でアニメをやることに難しさも感じたというヨン・サンホ監督。次回作は、『ソウル・ステーション/パンデミック』でヒロインの声、『新感染 ファイナル・エクスプレス』では第一感染者を演じたシム・ウンギョンと再び縁を結び、引き続き実写映画のメガホンを取る。(編集部・吉田唯)

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