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嶺川貴子、ハル・ハートリー愛を語る「生きづらい人に共感」

『トラスト・ミー』特別試写会のトークショーに登壇したライター村山章氏、ミュージシャンの嶺川貴子、深田晃司監督
『トラスト・ミー』特別試写会のトークショーに登壇したライター村山章氏、ミュージシャンの嶺川貴子、深田晃司監督

 1990年代のミニシアター文化をけん引し、音楽シーンにも影響を与えたNYインディーズの雄ハル・ハートリー監督の映画『トラスト・ミー』特別試写会が28日、飯田橋の神楽座で行われ、ミュージシャンの嶺川貴子がハートリー作品のカバー曲を含む3曲のミニライブを行った。トークショーには、昨年のクラウドファンディングでハートリー作品の日本語字幕版DVD&ブルーレイ化実現に尽力した映画ライターの村山章氏、そして映画監督の深田晃司も登壇した。

【写真】ハル・ハートリーの長編デビュー作

 「シネマ解放区」という放送枠を中心に激レア映画を数多く放送している洋画専門CS放送ザ・シネマでは、4月から3か月にわたってハートリー監督の代表作のうち『トラスト・ミー』(1990)、『シンプルメン』(1992)、『FLIRT/フラート』(1995)を放送。本イベントは、その放送を記念して行われた。

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嶺川貴子
『トラスト・ミー』からの楽曲など全3曲を披露した嶺川貴子

 かつて嶺川は曽我部恵一らとともに「ア・シンプル・マン~ハル・ハートリー映画音楽カヴァー・コンピレーション」と題したコンピレーションアルバムに参加しており、ネッド・ライフル名義で音楽も担当しているハートリー監督の楽曲をカバーしたこともある。「記憶があいまいなんですが、1990年代は割と自由にアルバムをリリースしていたと思います。その当時、『シンプルメン』と『トラスト・ミー』を観たんですが、ハートリー監督は映画音楽も自分でやっていて。すごく簡単なメロディーなんですけど、耳に残って大好きだったので、そのサントラをカバーしようという企画があったんです」と述懐。その縁もあり、嶺川は『ブック・オブ・ライフ』(1998)に楽曲を提供することとなった。

 ハートリー作品について嶺川は「当時、フランス映画社が配給した作品は映画館で観ました。(デビュー作の)『アンビリーバブル・トゥルース』(1989)は後から観たと思うんですが、あのあたりの作品がずっと好きで。ハートリーの映画も(普通から外れた)ちょっとオフな人たちを描いていて。世の中で生きづらい人の映画というものに共感していたのかもしれません。最近も見直してみたんですが、やはり自分にすごく重なる部分がありました。」と振り返る。

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トラスト・ミー
洋画専門チャンネル ザ・シネマ「NYインディーズ界最後のイノセンス ハル・ハートリーの世界」ポスタービジュアル

 さらに「ハリウッドが描く家族関係がどんどん保守化していく中、むしろハートリー作品の方が現代を描いている」と指摘する深田監督の言葉に納得した様子の嶺川は、「特に『トラスト・ミー』が正直すぎて。グサッとくる感じがありますね」としみじみ付け加えた。その後は、嶺川によるミニライブを実施。『ブック・オブ・ライフ』に提供した自作曲「1.666666」と、 「End Credits」「Cue #16」という『トラスト・ミー』の楽曲2曲を披露。シンプルかつ浮遊感あふれる楽曲の数々で会場を魅了した。(取材・文:壬生智裕)

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