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「メンタリスト」主演俳優、マルチな才能を見せた監督デビュー作の魅力を語る

製作、脚本、監督、主演とマルチな才能をみせたサイモン・ベイカー
製作、脚本、監督、主演とマルチな才能をみせたサイモン・ベイカー

 テレビシリーズ「メンタリスト」などの俳優サイモン・ベイカーが、長編映画の監督デビューを果たした映画『ブレス(原題) / Breath』について、5月23日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【写真】ゴールドまみれのエリザベス・デビッキ!

 オーストラリアの人気作家ティム・ウィントンの小説「ブレス:呼吸」を映画化した本作。オーストラリア西南部の海辺の街を舞台に、好奇心旺盛な2人の少年ルーニー(ベン・スペンス)とピケレット(サムソン・コールター)が、謎めいた元プロサーファーのサンドー(サイモン)と出会い、年齢を超えた友情を育みながら、リスクを恐れずに生きることを学んでいく。サイモンが監督のほか、製作、脚本、主演を務め、エリザベス・デビッキがサンドーの妻を演じている。

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 本作の製作経緯についてサイモンは、「あるとき、テレビシリーズ『ブレイキング・バッド』の製作総指揮で成功を収めたマーク・ジョンソンからティムの小説を読むよう勧められたんだ。僕には(実生活で)2人の子供がいるし、僕が育った環境とも似ていた。その内容の多くは、さまざまな観点で僕の人生と共鳴するものがたくさんあったんだ。マークから『今作を映画化してみないか?』と言われ、飛びついたよ!」と明かす。

 自身も長きに渡りサーファーである彼いわく、「ブレス:呼吸」はサーファーや水中にいるときの感覚を、最も的確に捉えた小説だそうだ。「この本は、サーファー経験のない人たちでさえも、サーフィンがサブカルチャーとしてある時代に誘ってくれる。現在のサーフィンは商業的要素が強いから、近年映画で描かれるサーフィンは、どこか輝き過ぎていて、間違った感覚にさせられるんだ。僕自身もそういった映画に入り込めていないよ。それに、僕自身サーフィンの映画を撮りたかったわけではないんだ。(友人や両親を通して)アイデンティティーを描いた映画を作りたかった。だから、サーフィンはそのアイデンティティーを描く上でキャンバスみたいなものになっているんだ」とサイモン。本作では、人とサーフィンと自然が融合した映像の中で、物語が描かれている。

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 自身が演じたサンドーのキャラクターについては、「サーフィンの世界では、どこか神話的な話を愛する傾向があるんだ。サンドーもそんな神話的な話(過去の栄光)を持った人物で、現在は脚光を浴びることを避け、隠遁(いんとん)生活を送っている。自身は、ミッドライフ・クライシスに直面していて、それまで持っていた男らしさから、新たなアイデンティティーを模索することになるんだ」と説明。続けて「今は、有害な男らしさ(セクハラ)が世間で話題になっているけれど、1970年代のオーストラリアでは、男らしさが映画やテレビなどで追求され、それが男のアイデンティティーになっていたんだ。僕が住んでいた場所でも女性よりも男性が多く、強制的に男らしさを押し付けられていた気がするよ。もし、期待された男らしさに達することができなかったら、感情的に難しい状況に置かれていただろうね」と語り、今作では典型的な男らしい人物の“らしさ”が覆されることになると説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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