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『最初で最後のキス』主演のイケメン俳優が来日!

漢字の名前入りうちわを手に笑顔のリマウ・グリッロ・リッツベルガー
漢字の名前入りうちわを手に笑顔のリマウ・グリッロ・リッツベルガー

 イタリアのビタースイートな青春ドラマ『最初で最後のキス』の初日舞台あいさつが、2日に都内で行われ、主演の新人俳優リマウ・グリッロ・リッツベルガーが、この日のために来日。上演後に観客からの質問に答える形で、作品の背景や自身の役どころを語った。

来日したリマウ【写真】

 リマウは1997年、インドネシア人の父とオーストリア人の母の間に生まれたウィーン出身の21歳。2,000人以上のオーディションに合格し、映画初出演で本作主演を射止めた。現在はローマ大学哲学科に在学中という。

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 本作は、イタリアの地方都市を舞台に、はみ出し者の高校生3人の恋と友情を描く。スターを夢見る転校生ロレンツォ(リマウ)は、北部の町ウーディネにやってきてすぐ、ゲイであることをからかわれイジメの対象に。そんな中、女子グループから妬まれているブルー、無口で周囲からバカにされているアントニオと意気投合して友情を深めるが、ロレンツォのある行動が、彼らの歯車を狂わせてしまう。『はじまりは5つ星ホテルから』などの脚本で知られるイヴァン・コトロネーオの監督3作目。

 本作について、リマウは「これは実際の事件(2008年にアメリカで起きたラリー・キング殺人事件)を基に、監督が小説を書き、映画化したもの。当時、イタリアでは性差別に反対する法案が国会で議論されていて、注目されました。監督は、学校や日常にどんな暴力があるかを描くため、この題材を選んだと思います」と説明。ラリー・キング殺人事件とは、15歳のラリーが、同級生に射殺されたヘイトクライム(社会的マイノリティーへの憎しみに基づいた犯罪)で、ラリーがその同級生への好意を表明したことが事件の引き金ともいわれている。

 「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)や性差別について、イタリアでは学校で取り上げているのか」と客席から質問が出ると、リマウは「ローマでも、ピンク色のパンツをはいた男子がイジメにあい、最終的に自殺するという事件があり、大きな社会問題となりました。LGBTへの理解や他者に対してリスペクトを持つという教育が、時間をかけて行われているんです」「教育省の援助で、本作をいろいろな学校で上映する試みも行われました」と話した。リマウら主役3人とコトロネーオ監督は、イタリアの約3万人の高校生を対象に、ティーチイン付き上映会をする活動(UN BACIO EXPERIENCE)を実施している。

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 彼が演じたロレンツォという役のポイントについて聞かれると、リマウは「彼は高校生という年齢で、自分に対して自信を持ち、自由な心を持っている。演じたとき、僕は18歳だったけれど、自分にはとてもそんな自信も自由な心もありませんでした。強い心のキャラクターを演じるのは難しかったです」と振り返ったあと「でも、その役になることで蝶のついたシャツを着たり、思いっきりダンスしたり、自分を解放することができた。それはとても楽しい仕事でした」と俳優としての手応えもつかんだ表情で答えていた。(取材・文/岸田智)

映画『最初で最後のキス』は新宿シネマカリテほか全国順次公開中

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