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ゴッドファーザーを参考にしていた!?『関ヶ原』監督が意外な共通点を明かす

パワフルに新作を世に送り続ける原田眞人監督
パワフルに新作を世に送り続ける原田眞人監督

 現在開催中のニューヨーク・アジア映画祭で映画『関ヶ原』が上映され、原田眞人監督が、6月30日(現地時間)、ニューヨークのリンカーン・センターにあるエリノア・ブーニン・マンロー・フィルム・センターで単独インタビューに応じた。

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 豊臣秀吉の死から2年後、豊臣家への忠義を貫く石田三成(岡田准一)は、天下取りの野望に燃える徳川家康(役所広司)と対立を深め、遂に戦国時代に終止符を打った歴史的合戦「関ヶ原の戦い」に命を懸けることになる。司馬遼太郎の原作を、映画『日本のいちばん長い日』などの原田監督が映画化した。

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 関ヶ原の戦いは日本人にとってネガティブに受け取られていたと語る原田監督。「小説『関ヶ原』は素晴らしいけれど、石田三成は『関ヶ原の戦い』で決着がつく前に逃げ出したイメージが強かったんです。でも、僕自身が50、60歳過ぎてから、三成の持っている論理性、彼は一言多く、そのため敵を作ってしまったというところが、僕が映画界で生きてきた姿と似ている部分があると思ったんです。僕もアメリカナイズされたものの考え方で、ズバっと切り込んだために、嫌われていくという(笑)。そんな嫌われっぷりも似ているところから、だんだん三成に惹かれていったんです」と制作意図を語った。

 興味深いのは、駒姫(豊臣秀次の側室たちと共に三条河原で処刑された人物)が描かれていることだ。天下を取った豊臣秀吉のその後の堕落した部分や、テレビや映画ではあまり描かれていない部分が、冒頭で描かれている。「僕自身は、権力者の中では秀吉がいちばん嫌いだったので、なにかその秀吉の悪の部分、それを背負わざるを得なかった三成に同情する部分があったんです。今作の構成をする上では、映画『ゴッドファーザー』を参考にしていて、マイケル・コルレオーネが三成なんです。もっとも、マーロン・ブランドが演じたヴィート・コルレオーネは、秀吉と違って良い人で、家長として優れている人でした。でも秀吉がネガティブなイメージになったために、三成が背負うものがすごく大きくなるわけです。そこ(三成が背負うもの)を象徴的に出すためには、駒姫のエピソードを描くことになるわけです」。三成の家族に関しては、小説「関ヶ原」でほとんど描かれていなかったために、省いたそうだ。

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 西軍から寝返る小早川秀秋(東出昌大)に関しては、彼が引き立つように描きたかったという。「そのためにはスター級の俳優を使いたかった。司馬遼太郎さんの原作では、小早川秀秋は臆病で、卑劣で、裏切り者として記されているのですが、実際調べてみると、そうではないんです。今作で描かれているような葛藤があったから、家康にたらしこまれてしまって、そういう結末になっています」。

 だが、やはり三成に魅力があったというのが今作の解釈と原田監督は続ける。「三成に対して不信感が芽生えてきて、家康側で戦うつもりだったけれど、それができなくなったのは三成に魅力があった。それで、小早川の関ヶ原での決断が遅れたという解釈です。そういう意味で、そんな清潔さも持っているような役者を探していました。東出くんは、彼のお父さんの蔵書に司馬さんの作品がたくさんあって、すでに読んでいたので、(後の会合で)すごく話しやすかったというのも、(配役した)理由でしたね」。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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