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ドラマで主婦役の安達祐実、周りが「家なき子」のイメージ捨ててくれた

女優・安達祐実の“いま”を語った
女優・安達祐実の“いま”を語った

 近年、幅広い役柄に挑み、女優としての存在感を増している安達祐実。映像配信サービス「dTV」オリジナルドラマ「婚外恋愛に似たもの」(配信中)では、普通の専業主婦が熱狂的なアイドルオタク仲間と出会うことにより、変化していくさまを好演している。「30歳を超えたぐらいからの楽しさが半端じゃない」という安達が“いま”を赤裸々に語った。

安達祐実の主婦姿!「婚外恋愛に似たもの」場面写真

 アイドルグループ「スノーホワイツ」に並々ならぬ感情を抱く35歳の“ドルオタ”女性たちのリアルを描いた本作。安達は娘を持つ普通の専業主婦・山田真美を演じているが「専業主婦ではありませんが、娘がいる母親という部分は共通していますし、旦那さんに対する小さなイライラみたいなものが積み重なっていくところなども共感できたので(笑)。リアルなお芝居ができたのかなと思います」と自身とリンクする役柄だったことを明かす。

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 ドルオタという熱狂的なファン心理を体現したが「わたしは今まで芸能人やアイドルに憧れるという感覚がなかったんです」と寂しそうにつぶやく。物心ついたときから芸能界で活動をしており、テレビのなかの人は「身近で仕事をする相手」という認識しか持てなかったという。

 それでも、このドラマを通じてアイドルに“婚外恋愛的感情”を抱く気持ちは理解できた。「日常生活の糧になるというか、見ているだけで勇気や希望がもらえたり、『その日にライブがある』と思うと、大変なことでも頑張れたりという存在ってすごいと思います」。

 安達自身も、小さいころからテレビや映画に出演し、多くのファンから羨望の眼差しを向けられてきた存在に思えるが「ミュージシャンやアイドルと、俳優はちょっと違うと思うんですよね」と語ると「俳優は役柄で影響を与えることはありますが、普段は地味ですし、そんなにキラキラしていませんから」と謙遜する。

 「35歳の女のリアル」を描いている今作。安達は「人生のほとんどを芸能人として過ごしてきたので、この部分が欠けてしまうと、自分のリアルがなくなってしまう感覚があります」と彼女ならではの発言をする。

 「母親として、子どもといるときももちろん幸せですし、怒ったり笑ったり、普通にコミュニケーションを取っていますが、でもどこかで女優ということが自分の基礎になっている気がします」とつぶやくと「プライベートよりも女優の自分の方が、リアリティーがあるんです。日常の方に違和感を感じてしまうというか……」と笑った。

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 自身のリアルを実感する女優業。近年役柄の幅も広がり、より生き生きとした姿がスクリーンや画面を通して伝わってくる。「30歳を過ぎたぐらいから、半端なく人生が楽しくなってきました」と満面の笑みを浮かべると「主人(カメラマンの桑島智輝氏)と出会ったことが大きかったのですが、そのころからプライベートが申し分なく充実してくると同時に、みんなが昔の『家なき子の安達祐実』のイメージを捨ててくれるようになりました。お芝居もいろいろ試せるようになって、役柄も広がっていきました」と手ごたえを感じている。

 女優でいることが自身のリアルだという安達。家庭を持つ彼女にとって、子育てと仕事の両立には相当なパワーが必要だと感じられるが、「女優を辞めようと思ったことは一度もないです」と断言する。「楽しいというのが一番なのですが、子役から大人に変化する難しい時期、なかなか役がもらえなかった辛い時期もありました。そのぶん、現場にいることのありがたさを実感しましたし、ずっとここにいたいと思えるのです」と理由を説明した。

 夫婦の時間も、家庭も、仕事も「やれることは全部やりたい」という安達。そのすべてのパワーの源となっているのが、女優という仕事。そんな安達が演じた“普通の主婦”が、ドルオタ仲間を得たことで、生き生きと変わっていく姿は必見だ。(取材・文・撮影:磯部正和)

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