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エマ・ストーン新作は注目の異色時代劇、監督らと語る

話題作が続くエマ・ストーン
話題作が続くエマ・ストーン

 現在開催されているニューヨーク映画祭のオープニングナイトを飾った新作『女王陛下のお気に入り』(2019年2月 日本公開)について、ヨルゴス・ランティモス監督、女優のオリヴィア・コールマンエマ・ストーンが、9月28日(現地時間)、ニューヨークのリンカーン・センターにあるウォルターリード・シアターで行われた記者会見で語った。

【動画】『女王陛下のお気に入り』日本語字幕入り特報映像

 本作は、18世紀初頭のイングランドを舞台にした宮廷ドラマ。最後のイングランド国王と呼ばれたアン女王(オリヴィア)は体が弱かったため、幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が女王の身の回りの世話をしながら、女王に代わって権力を掌握していた。だが、ある日、宮中に新入りの召使いアビゲイル(エマ)が現れ、宮廷内で新たな権力闘争が始まっていく。映画『ロブスター』などのランティモス監督がメガホンを取った。

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ヨルゴス・ランティモス監督
ヨルゴス・ランティモス監督

 ここ数年、数作品でワイドアングルを多用する機会が増えたと語るランティモス監督。「僕の好みでもあるんだけど、今作ではテーマを示す一つでもあるんだ。この広大な宮廷内のほんのわずかな人たちが、(宮廷)外の世界に大きな影響を与えているという皮肉を描いているんだよ。映像の中にはボカシ(背景の映像をゆがませること)も入れているから、観客は(宮廷内にずっといる)閉所恐怖症のような感覚になるんだ」。また、当時の絵画を参考にしたことも明かした。

 劇中、まるで「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」のようなダンスシーンが繰り広げられるのも印象的だ。「映画内ではダンスだけでなく、幾つか現代的な要素が含まれているんだ。特に(キャラクターの)ダンスや身体的な部分に関しては、現代のものに近いと思う。実は脚本段階で、当時の話し方よりも、むしろ現代の言葉を使おうと決めたことで、時代背景は忠実に描いているものの、ダンス、衣装、音楽などには現代的な要素を残したんだ」。その通り、通常の時代物の作品とは一線を画している点が興味深い。

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 エマは、派手な衣装を着るような時代物の作品は今作が初めてだと語る。「当時の(宮廷内の)女性たちは、品が良く高潔に見られるために、コルセットを着せられ、立ち居振る舞いや歩き方まで決められていたの。ただ今作では、キッチンで仕事をしている女性たちには、古いジーンズから作った衣装や革製品のものも使われているわ」。衣装を担当したサンディ・パウエルの大胆な発想に感激したそうだ。

オリヴィア・コールマン
オリヴィア・コールマン

 アン女王を演じたオリヴィアは、「ヨルゴスから送られてきた脚本がかなり面白くて、脚本通りに演じたから、それほど準備過程がなかったわ」と口火を切ったが、ランティモス監督から「確かリハーサル時期があったはずだけれど……」と突っ込みが。「ごめんなさい、それを忘れていたわ。だったら、たくさんの準備過程があったわけよね。これからこういう質問は、監督に聞くべきね」と笑顔でやり過ごし、役柄とは違う柔和な素顔をみせた。撮影中は、あまりに楽しくて、セットを去るのが寂しかったのだそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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